浜松市議会 > 2018-12-03 >
12月03日-20号

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  1. 浜松市議会 2018-12-03
    12月03日-20号


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    平成30年 11月 定例会(第4回) 平成30年12月3日◯議事日程(第20号) 平成30年12月3日(月)午前10時開議 第1 会議録署名議員指名 第2 一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件 議事日程のとおり。-----------------------------------◯出席議員(45人)    1番  落合勝二          2番  渡邊眞弓    3番  馬塚彩矢香         4番  鈴木 恵    5番  山本遼太郎         6番  稲葉大輔    7番  酒井豊実          8番  小黒啓子    9番  北野谷富子         10番  鈴木唯記子    11番  遠山将吾          12番  太田利実保    13番  平野岳子          14番  松本康夫    15番  加茂俊武          16番  倉田清一    17番  須藤京子          18番  神間智博    19番  丸 英之          20番  幸田惠里子    21番  北島 定          22番  平間良明    23番  徳光卓也          24番  田中照彦    26番  湖東秀隆          27番  戸田 誠    28番  高林 修          29番  鳥井徳孝    30番  波多野 亘         31番  飯田末夫    32番  花井和夫          33番  小倉 篤    34番  松下正行          35番  黒田 豊    36番  斉藤晴明          37番  丸井通晴    38番  関 イチロー        39番  高林龍治    40番  内田幸博          41番  渥美 誠    42番  太田康隆          43番  和久田哲男    44番  吉村哲志          45番  鈴木育男    46番  柳川樹一郎◯出席説明員   市長         鈴木康友   副市長        鈴木伸幸   副市長        長田繁喜   政策補佐官      山名 裕   技術統括監      井ノ口秀彦  危機管理監      宮城和敬   企画調整部長     内藤伸二朗  総務部長       川嶋朗夫   財務部長       松原剛史   市民部長       山下昭一   健康福祉部長     朝月雅則   健康福祉部保健所長  西原信彦   こども家庭部長    金原栄行   環境部長       影山伸枝   産業部長       渡瀬充雄   都市整備部長     岡本光一   土木部長       柴山智和   財務部税務担当部長  堀内治之   市民部文化振興担当部長       健康福祉部医療担当部長              寺田聖子              新村隆弘   産業部農林水産担当部長       都市整備部花みどり担当部長              山下文彦              伊藤 哲   総務部参事(秘書課長)       財務部次長(財政課長)              袴田智久              小松靖弘   教育長        花井和徳   学校教育部長     伊熊規行   水道事業及び下水道事業管理者    消防長        鵜飼 孝              寺田賢次   監査事務局長     長坂芳達-----------------------------------   監査委員       鈴木利享◯出席議会事務局職員   事務局長       佐藤元久   事務局次長(議事課長)                                大橋臣夫   議会総務課長     木村晶子   調査法制課長     鈴木啓友   議事課専門監議事課長補佐)    議事課副主幹(議会運営グループ長)              上田晃寿              大石 尚-----------------------------------     午前10時開議 ○議長(飯田末夫) ただいまから、本日の会議を開きます。----------------------------------- ○議長(飯田末夫) 本日の日程に入ります。 本日の議事日程は、お手元に配付した日程のとおりであります。 最初に、日程第1会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員は、会議規則第78条の規定により、5番山本遼太郎議員、20番幸田惠里子議員、39番高林龍治議員を指名いたします。----------------------------------- ○議長(飯田末夫) 次に、日程第2一般質問を行います。 最初に、17番須藤京子議員。(拍手)     〔「頑張れ」と呼ぶ者あり〕 ◆17番(須藤京子) ありがとうございます。皆様、おはようございます。自由民主党浜松須藤京子でございます。 きょうは、傍聴席に小さな子供の姿も見えます。私たちには、後に続く世代、未来を担う子供たちに真摯に生きる姿を見せる責任があります。今回は、浜松の教育について、女性の活躍推進について、認定から1年を迎えるフェアトレードタウンの今後について、さきの通告に従い、分割方式で質問させていただきます。 まずは、質問の1番目、浜松の教育について。 1点目として、浜松の教育の目指すものについてです。 平成27年3月の浜松市総合計画では、都市の将来像を「市民協働で築く『未来へかがやく創造都市・浜松』」として、地域などでの市民の活躍に期待が寄せられています。子供たちがやがて本市の未来を担う人材として活躍するためには、家庭教育や学校教育、そして社会教育の場面で教育が大変に重要であると考えます。学校教育の分野では、教職員の資質の向上や育成が欠かせないと考えますが、浜松市を担う市民の育成について、社会教育の場面ではどうなのか。一人一人の学びや経験を生かして市民協働で活躍する人材の育成について、以下2点伺います。 アとして、これからの浜松市を担い市民協働で活躍する人材育成に向けた理念と思いを鈴木市長に伺います。 イとして、市民協働にかかわる人たちの意識の醸成について山下市民部長に伺います。 2点目として、教職員に求める姿について質問をいたします。 学校教育の場面で子供たちの教育に当たる教職員には優秀な人材の確保が何よりも求められ、その後の育成も非常に重要と考えます。そこで以下3点について伺います。 アとして、平成30年度教員採用試験の受験状況についてです。 イとして、浜松市の目指す教職員の姿、その実現に向けた教職員の育成について伺います。 さらに、社会情勢の変化と多様化する家族の姿、子供たちの個性を受けとめる校長には柔軟な対応が求められます。昨年は、浜松市校長育成指標において4つの資質能力が示されましたが、ウとして、その中の一つでもある学校経営力に関する校長の育成について伺います。 続いて、質問の3点目、発達に偏りのある子供たちの進路について質問します。 不登校やひきこもりなどから社会とのつながりが途切れ、社会的な自立に課題を抱える若者たちが問題となっています。こうした若者たちの中には、発達の偏りが要因である場合もあると聞きます。一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な能力を育てるための進路指導は大変に重要です。そこで、発達に偏りがある子供たちへの進路指導についての課題など、以下2点について伺います。 ア、発達支援学級在籍生徒の中学校卒業後の進路の状況について伺います。 イ、発達支援学級在籍生徒の進路指導の課題と今後の方向性について伺います。 浜松の教育についての4点目は、外国人子供教育支援についてです。 本市では、外国につながる子供たちへの支援として、日本語を初め、3カ国語ではありますが母国語の支援も行い、比較的先進的な取り組みをしています。平成30年8月に開催された第2回浜松市外国人子供支援協議会では、新入学児童のおよそ3割に初期適応指導が必要であることなどから、日本語指導が必要な新1年生に対するプレスクール実施案が示されました。その内容と支援者の確保、多様化する国籍への対応など3点伺います。 アとして、日本語指導が必要な新1年生に対する初期適応指導を行ってこなかったその理由について。 イとして、プレスクールでの支援の内容と支援者の確保について。 ウとして、プレスクールにおいても多様化する国籍への対応についてです。 学校教育にかかわる3点について花井教育長に御答弁をお願いいたします。 ここで一旦分割いたします。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎市長(鈴木康友) 皆様、おはようございます。 それでは、第17番自由民主党浜松須藤京子議員の御質問の1点目の1つ目、市民協働で活躍する人材育成に向けた理念と思いについてお答えをいたします。 本市における市民協働の担い手は多彩であり、地域の共同体である自治会が地域の課題解決に取り組むとともに、NPOやボランティア団体などが社会的課題の解決に尽力をしていただいております。さらに、最近では学生など若者による社会貢献活動も活発に行われており、大変心強く感じております。人口減少や高齢化が進み、個人の価値観が多様化する中、社会的課題は複雑化しております。これからの社会は、市民、市民活動団体、事業者の皆様などが連携し、相乗効果を生み出していくことが大切であり、それぞれの特性を生かしながらも協働してまちづくりを行っていくことが求められております。そのためには、老若男女を問わず1人でも多くの市民の皆様がまちづくりに関心を持ち、担い手として行動していただくことが肝要であり、そのことが「市民協働で築く『未来へかがやく創造都市・浜松』」の実現につながるものと考えております。 ◎市民部長(山下昭一) 次に、2つ目の市民協働に係る市民意識の醸成の促進についてお答えいたします。 本市では、市民協働によるまちづくりを推進するため、年代に応じた取り組みを実施しております。具体的には、市の施策や業務を理解していただくため、小学生から一般まで幅広い世代を対象に、市の職員を講師として派遣する出前講座を実施しており、平成29年度は440件、約3万3000人の利用がございました。このほか、中学生・高校生が市民活動団体の活動を実際に体験する市民活動体験講座、大学生を対象とした学生ボランティアネットワーク事業などを通して、将来の市民活動を担う人材の育成に努めています。 本市が7月に実施した広聴モニターアンケートでは、約60%の市民が地域コミュニティー活動ボランティア活動について興味関心がある一方、ボランティア活動への参加は約13%にとどまっており、その理由として、市民活動団体になじみがない、参加方法がわからないと回答しております。こうしたことから、担い手となり得る潜在的な人材が多いと考えられ、今後は、この潜在的な担い手が市民協働について考え、まちづくりの主役として一歩を踏み出すきっかけとなる取り組みを実施してまいります。 ◎教育長(花井和徳) 2点目、教職員に求められる姿についての1つ目、平成30年度教員採用試験の受験状況についてお答えいたします。 本市の教員採用試験においては、人間味あふれる優秀な教員を求めており、教育への情熱や教育者としての倫理観など人柄を大切に考え、面接を重視した選考を行っております。今年度実施いたしました教員採用試験の受験者数は、小学校教員と中学校教員などの併願を含め600人、合格者数は152人で、合格倍率は3.9倍となりました。全国的な教員離れの状況を踏まえれば、本市は、受験者数、合格倍率ともに適切な水準を維持しているものと考えております。さらに、今年度からは、発達支援教育の専門的な教員を育成する手段として、教員採用試験の選考区分に発達支援推進教員を新設しました。結果として、23人の受験者のうち10人を選考することができました。今後につきましても、浜松らしい特色ある教育施策の実現のため、さまざまな教育課題、ニーズに対応できるような選考方法を模索し、本市が求める優秀な教員の確保に努めてまいります。 次に、2つ目の教職員の育成についてお答えいたします。 教職員に求められていることは、子供たちの健やかな成長のために、常に学び続ける姿勢を持ち、その資質、能力の向上を図ることです。第3次浜松市教育総合計画では、浜松市が目指す教職員の姿を「愛情と情熱を持ち続ける教職員」「専門性と指導力を磨き続ける教職員」と定めております。また、教員としての資質の向上を示した浜松市教員育成指標では、大学在学中から退職までのキャリアステージを、養成期、基礎期、向上期、充実・発展期、深化・貢献期の5段階に設定しています。さらに、職責、経験及び適性に応じた教職員に求められる資質・能力を、授業をつくる力、子供とかかわる力、よりよい教育を進め高める力の3つの力に分類し、各段階の育成指標を定めています。教育センターでは、この育成指標に基づいて各段階に応じた研修を計画・実施することで、浜松市が目指す教職員の姿の実現に向けて努めてまいります。 次に、3つ目の魅力ある学校経営を担う校長の育成についてお答えいたします。 校長は、学校のトップリーダーとしてふさわしい指導力とすぐれた見識を備えるとともに、人間味あふれる人物であることが望まれます。魅力ある学校を経営するために、校長には、自校の児童・生徒の学習・生活の様子、保護者・地域からの期待、地域社会の環境等の実態を情報収集して課題等を把握すること、社会情勢や教育施策を踏まえ、自校の目標や経営計画等のビジョンを構築し、全ての教職員、児童・生徒、保護者及び地域社会と共有すること、さらに、そのビジョンの実現と検証を行い、浜松市の教育理念である「未来創造への人づくり」、「市民協働による人づくり」を進めることが求められます。また、浜松市は広域で、地域ごとに特徴があり、多文化共生のまちでもあることから、多様化する家族の姿や子供たち一人一人の個性を受けとめるために、外国人や性的マイノリティー等の理解も含めて人権に対する理解を高めることなども重要となります。 このように、校長は多くの経験や実態に即した研修を重ね、資質・能力を一層向上させていく必要があります。教育センターでは、学校管理職マネジメント研修学校経営研修人権教育指導者研修など、校長を対象とした各種研修を企画・運営しております。今後も、研修を通して、魅力ある学校経営を担う校長の育成に努めてまいります。 次に、3点目、発達に偏りのある子供たちの進路についてお答えいたします。 まず、1つ目の発達支援学級在籍生徒の中学校卒業後の進路状況でございますが、昨年度の卒業生166人の主な進路は、高等学校全日制が3人、定時制が9人、通信制が42人、特別支援学校高等部が97人、職業訓練校が4人でした。特徴としましては、特別支援学校高等部が約6割と多くを占めていること、高等学校の卒業資格が取れる通信制高校に進学する生徒がふえてきていることです。 次に、2つ目の進路指導の課題と今後の方向性についてお答えいたします。 進路指導は、生き方の指導であり、キャリア教育の中核をなしています。中学校入学時から学校の教育活動全体を通じて系統的、計画的、組織的に推進し、生徒一人一人が自分の特性や適性を理解して、将来の夢や職業を思い描きながら主体的に進路選択できるように、進路先を本人、保護者とともに考え、指導・支援していく必要があります。 しかしながら、発達支援学級の増加に伴って担当教員の人数がふえ、経験3年未満の教員が全体の半数を超えています。そのため、進路指導に携わった経験が少なく、保護者が必要とする進路情報の提供も十分でない場合があります。また、一部保護者の中には、子供の特性や適性の理解に基づく、社会的自立、職業的自立に向けた見通しを持てない傾向があるという点も課題となっています。 今後の方向性についてですが、どの学級でも適切で正確な進路情報を提供し、担任が本人、保護者とともに子供の自立に向けた進路を考えることができるように、「発達支援教育・進路指導のてびき」を保護者のニーズを踏まえて改定してまいります。また、進路指導にかかわって保護者から寄せられた疑問や質問に対する回答、経験のある教員からの助言などを盛り込んだ「進路指導Q&A集」の作成を進め、発達支援学級での進路指導だけでなく、通常の学級における発達に偏りのある子供たちへの進路指導にも活用してまいります。 次に4点目、外国人子供教育支援についてお答えいたします。 まず、1つ目の日本語指導の必要な新1年生に対する初期適応指導を行ってこなかった理由についてでございますが、例年4月は、他の学年の編入児童・生徒が多く、バイリンガル支援者が十分確保できない状況にあります。また、1年生の4月当初の学習は、日本人の子供も含めて学校になれるための特別なプログラムが組まれていることから、できるだけ同じ教室で日本人の子供と一緒に学習させる必要があるため、別教室へ取り出す初期適応指導は行っておりませんでした。 次に、2つ目のプレスクールでの支援の内容と支援者の確保についてと、3つ目のプレスクールにおける多様化する国籍への対応については関連がございますので、一括してお答えいたします。 本年度、新入学した外国人児童数は221人で、そのうち日本語がほとんどできない児童は63人でした。これら日本語や日本の学校生活を知らない外国人の子供たちに初期適応指導を行うことにより、学校生活への適応がスムーズに進み、学習効果が高まります。そこで、学校に入学する前に初期適応指導を行うプレスクールの実施を検討しています。内容は、子供向けには初期適応指導のプログラムから18項目を抜粋し指導します。保護者向けには、日本の学校制度や入学に当たり準備しなければならないこと、年度当初の提出物の説明などを検討しており、親子で学ぶ機会にしたいと考えております。実施に当たっては、既に平成24年から学生ボランティア団体が市内の一部小学校を会場に入学前の外国人の子供たちを集めて体験活動を行っていますので、こうした団体との連絡・調整も視野に入れ、検討してまいります。 バイリンガル支援者の人材確保については、平日に他の勤務をしている支援者の活用を考えています。そのため、プレスクールを入学前の2月、3月の土曜日に行う予定です。また、多様化する国籍への対応については、バイリンガル支援者が確保できない言語は、身振り手振りや絵、写真などの視覚情報を利用して日本語で指導したり、タブレットパソコンの多言語翻訳アプリを活用したりして対応してまいります。 ◆17番(須藤京子) 議長、17番。 ○議長(飯田末夫) 17番須藤京子議員。 ◆17番(須藤京子) 御答弁ありがとうございました。意見・要望を申し上げます。 市民協働の言葉が躍る浜松市、真に市民協働を担う人が育つまちであってほしいという思いから質問いたしました。地域には、自治会活動や地区社協、あるいは子供たちにかかわる活動などで活躍する人たちがおり、浜松市内には、200を超えるNPO団体が社会的課題の解決に向けて活動しています。しかし、実際には地域で活動する人の多くは、幾つもの活動を抱え、時間的にも気持ちの上でもゆとりのない活動になっていると思われ、多くのNPO団体では、人材の確保や養成、活動資金が大きな課題となっています。また、社会課題の解決に熱心に取り組む若者たちがNPO団体を就労先として選択しても、理念だけで生活できない現実の壁にぶつかり、思いを断念することも多いと聞きます。なぜか、NPO団体の活動者の多くは女性です。現状の市民活動では担い手不足が大きな課題であると認識していますが、御答弁によれば、担い手となる潜在的な人材は多いと捉えていらっしゃるようです。こうした潜在的な人材の活用をいかに進めるか、具体的な取り組みが待たれます。 地域をつくるのは人間で、人間をつくるのは学びだと聞いたことがあります。生きがいを持って生きるためには何が必要なのかといえば、理念だけではなく生活の糧も必要です。今、生きがいは、世界でも認められる日本固有の考え方であるといいます。社会教育の言葉が組織から消えて久しい浜松市ですが、人間をつくる学びの場、社会教育の充実を心から期待いたします。 次に、学校教育の場面に移ります。 教員採用について、全国的に教員離れの状況ということですが、優秀な人材の確保に向けて受験者数をふやす工夫は必要です。昨年9月に自民党浜松鳥井議員も質問されていますが、地域や保護者への対応や勤務条件は、人員や予算がふえることで改善できるはずです。また、採用後の充実した研修など、教員を目指す学生にとって魅力ある取り組みを工夫してください。 教職員や校長の育成には、さまざまな課題を網羅する研修の様子を伺いました。中でも社会情勢の変化に伴う家族のあり方や多様化する子供たちの個性と向き合うことは、学校経営を担う学校長の指導力にかかる期待が大きいと考えます。困難を抱える家族を支えることは、学校だけの課題ではなく、地域や支援団体などへいつどのようにつなぐかという判断力も必要とされます。発達にかかわることや外国につながる子供たちについても今回質問させていただきましたが、LGBTと表現されることも多い性的マイノリティーへの理解は、子供たちだけではなく、ある程度の人数が予想される教職員への理解にもつながります。2020年東京オリンピック・パラリンピックではLGBTの理解促進を目指しており、こうした研修は新たな成果を上げることと期待しています。ただ、今後の課題として、地域と連携した防災教育のあり方やコミュニティ・スクールの推進も視野に入れた地域との連携協働力、そして地域ごとの実情に合わせた柔軟な対応力などが求められますので、より一層充実した研修を望みます。 続いて、発達に偏りのある子供たちの進路についてです。 発達支援学級に在籍する生徒のおよそ6割が特別支援学校高等部に進学し、そのほかの多くは通信制高校への進学ということでした。最近、県立高等学校の中には、こうした生徒を受け入れるクラスも設置されていますが、希望する子供たちの全てを受け入れることは限りがありますし、そのほとんどが普通科クラスです。進学する生徒の中には、実は就労につながる職業訓練を望む子供たちもいるという声を聞きます。生徒一人一人が自分の特性や適性を理解して主体的に進路選択できるように支援することは重要なことです。普通学級に在籍する発達に偏りのある軽度発達障害の子供たちにも同様の支援は必要です。教員採用において専門的教員育成のための試験区分を新設されたとはいえ、発達支援担当教員の不足は大きな課題です。それでも今、進路に悩む子供たちは、それぞれのニーズに合わせた誠意のある進路指導を待ち望んでいます。御答弁いただいたように、どの学級でも適切で正確な進路情報を提供して、子供の自立に向けた進路指導を強く望みます。また、年々増加している発達支援学級在籍児や普通学級に在籍する発達に偏りのある子供たちの将来の社会的自立のために、かつて検討されようとしていた浜松市立特別支援学校が、浜松市独自の職業訓練に特化した高等学校として改めて検討していただけないものかと考えます。 外国人子供教育支援については、外国につながる子供たちが、この浜松市を支える人材として育つための支援が必要と考えます。これまで日本語がほとんどできない新1年生を受け入れていた学校現場では、緊急にバイリンガル支援者の派遣を要請していたこともあり、今回のプレスクール実施には一歩前進の思いがあります。同時に保護者向けのプログラムを実施することで、日本の学校についての理解が深まることも期待できます。 ただ、当事者への周知が確実にできるのかなど、課題も多く残ります。開催場所が、NPO団体が母国語教室を実施している3会場に限られ、対象となる親子全てに支援が届くのかと危惧されます。そして一番の懸案事項は、やはりバイリンガル支援者の確保です。さきの9月議会での市民文教委員会の委員長報告にもあったように、専門的な力が求められるバイリンガルなどの人材は限られています。平日勤務のある人たちの土曜日を期待していますが、十分な対応ができるかについては疑問が残ります。バイリンガル支援者の活用には、初期適応指導や母国語教室を委託しているNPOなどに協力を求めるなど適切な体制づくりを望みます。 また、多国籍化への対応ですが、身振り手振りを交えた指導では、指導者の人間性や経験値に期待されるところも大きいかと思われます。学生ボランティアの皆さんに頼るばかりではなく、しっかりとした人材の育成も視野に入れてください。タブレットの多言語翻訳アプリはまだまだ開発途上ではないでしょうか。日本の教育の入り口である小学校へのスムーズな移行は、これからの浜松を担う多彩な力の育成につながるのかもしれません。 続いて、質問の2番目は、女性の活躍推進についてです。 1点目は、浜松女性活躍推進プランについてです。 平成27年3月に改定された浜松市人材育成基本方針では、人材育成の課題などが示され、平成28年3月にははままつ女性職員活躍応援プラン~すべての職員がいきいきとはたらくために~が策定されました。そこには、ライフステージの変化によって時間的制約を受けることの多い女性職員の活躍推進に向け、積極的な任用や人材育成についての取り組みが示されています。女性職員の活躍には、柔軟な発想を生かした企画や市民サービスの展開などが期待され、自治体経営においても重要な戦略課題とされています。 そこで以下3点について伺います。 アとして、全職員対象研修への女性職員の参加状況について。 イとして、はままつ女性職員活躍応援プランの取り組みの実例と活用状況、その成果について。 ウとして、現在の昇任制度の仕組みとその課題について川嶋総務部長に伺います。 2点目として、ドメスティック・バイオレンス問題の啓発について伺います。 昨年の質問でも取り上げたドメスティック・バイオレンス問題についてですが、ちょうど11月12日から25日までは女性に対する暴力をなくす運動週間でした。市役所1階でも展示があり、ことしは職場におけるセクシュアルハラスメントを取り上げていましたが、ドメスティック・バイオレンスはより深刻な人権侵害です。それを未然に防ぐためには、特に若い人たちへの啓発が重要ではないかと考えます。 そこで、若年層を対象とした啓発活動の取り組みについて山下市民部長にお伺いします。 ここで再び分割いたします。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎総務部長(川嶋朗夫) 御質問の2番目の1点目、はままつ女性職員活躍応援プランの推進についてお答えいたします。 1つ目の全職員対象の研修への女性職員の参加率は、女性職員の構成比の34%よりも若干低い31%となっております。今後に向けては、時間と場所の制約にとらわれずに能力向上に取り組めるよう、eラーニングや通信教育など自主研修支援を充実してまいります。 次に、2つ目のはままつ女性職員活躍応援プランの取り組み状況と成果についてお答えいたします。 このプランにおいては、女性職員の登用、女性職員の採用、男性職員の育児参加の3つの項目について、数値目標と達成するための取り組みを定めております。 まず、女性職員の登用は、平成32年度までに女性管理職の割合を15%とする目標に対して、平成30年4月は9.5%でした。取り組みとしては、中堅女性職員を対象に、自信を持って責任ある業務にも挑戦できるよう、女性職員スキルアップ研修などを実施しています。受講者からは、自分なりの活躍を目指したり、常に新しいことにチャレンジする姿勢が強くなったなどの感想が寄せられ、受講後の意欲の高揚が図られたと考えております。 次に、女性職員の採用については、平成32年度までに、採用者に占める女性の割合を50%とする目標に対して、平成29年度は52.8%でした。取り組みとしては、採用説明会などにおいて、子育て中でも働きやすい環境や、業務のやりがいと魅力などを説明しています。 次に、男性職員の育児参加については、平成32年度までに男性職員の育児休業取得率10%、育児参加休暇取得率50%などを目標とし、平成29年度はそれぞれ3.9%、46.4%でした。取り組みとしては、子育てや介護に対して理解ある職場環境の整備のために、所属長を対象にイクボス研修を実施し、部下の育児参加やワーク・ライフ・バランスへの意識の向上を推進しております。 次に、3つ目の現在の昇任制度の仕組みと課題についてお答えします。 現在、職員の昇任の決定に当たりましては、人事考課を基本とした上で、部課長を対象に行うヒアリングにより、職員の意欲や適性、特定のポストへの配置の必要性などを含め判断しております。また、この際には、部局間の偏りやそれぞれの役職における年齢構成など全体のバランスを図りながら、若手職員の積極的な登用も念頭に、適材適所の職員配置としております。 女性の活躍における課題といたしましては、管理職年代である50歳以上の事務・技術職員のうち女性職員の割合が約1割と低く、これが女性管理職の割合が低い大きな要因となっております。今後は、若年層で女性職員の割合が増加し、女性管理職の割合が高くなることが見込まれますが、女性職員対象の研修を行い能力向上を図るとともに、上司に対しても意識啓発の研修を行うことで、さらなる女性管理職の登用に努めてまいります。 ◎市民部長(山下昭一) 2点目のドメスティック・バイオレンス問題の啓発についてお答えいたします。 ドメスティック・バイオレンス、いわゆるDVを未然に防止するためには、男女が互いの人権を尊重し、暴力を伴わない人間関係を築けるよう、教育やDV防止の啓発活動を行っていくことが重要です。とりわけ若年層を対象とした啓発活動は極めて大切であると考えています。このため、高校生を対象にDVについての正しい理解や知識を深めることを目的としたデートDV防止講座を出前講座として開催しています。DVは、殴る、蹴るなどの身体的な暴力のほか、例えばスマホを使って交際相手の行動を制限したり、自分とは違う異性からのラインやメールを削除させたりする行為も精神的な暴力であり、暴力にはさまざまな形態があることや、DVは心や体を傷つける重大な人権侵害であることを啓発しています。次の世代を担う子供たちをDVの加害者にも被害者にもさせないことを目的に、若年層へのDV防止に向けた啓発活動を今後も継続して行ってまいります。 ◆17番(須藤京子) 議長、17番。 ○議長(飯田末夫) 17番須藤京子議員。 ◆17番(須藤京子) 御答弁ありがとうございました。意見・要望を申し上げます。 はままつ女性職員活躍応援プランにのっとった女性職員の育成は、今後ますます需要が高まると感じています。質問の1つ目、全職員対象研修への女性職員参加率を見ると、ほとんどの方が意欲を持って研修に臨んでいる様子ですが、政策形成能力の向上にかかわるものや宿泊が伴うもの、長期にわたる研修には参加しにくい傾向があると人材育成基本方針では分析されていますので、自主研修支援ということではなく、女性が参加しやすい仕組みについて今後は検討を重ねる必要があると感じます。 また、現在の昇任制度では人事考課を基本としており、女性の年代構成に課題があると捉えていますが、ほかの政令指定都市の中には昇任試験を実施しているところもあります。平成30年度では、20市ある政令指定都市のうち半数の10都市が試験制度を導入しています。男女を問わず意欲のある人を登用する試験制度には、無意識のジェンダーバイアスにとらわれないといった効果もあると思われます。 私ども超党派の浜松女性議員の会では、これまでに何度か女性管理職の皆さんとの交流会を持ち、そこで、どなたも明るく前向きに職務に取り組んでいる姿をすばらしいと感じています。女性が活躍しやすい職場環境は、男性の意欲を高める上でも重要です。今後も、意欲ある若い職員の育成につながる働き方の見直しと人材の育成をお願いいたします。 次に、昨年に引き続きドメスティック・バイオレンス問題について御答弁をいただき、ありがとうございました。また、昨年は公共施設への相談窓口カードを配架していただき、これもありがとうございました。感謝を申し上げます。 ことしは若年層への啓発について質問いたしました。DVをなくすためには、できるだけ早い時期からの教育が必要と言われています。今回の高校生対象のデートDV防止出前講座については、身体的な暴力ばかりではなく、精神的な暴力、スマホの使用を前提とした束縛などが主な内容と思われますが、子供たちの中には、不仲な家庭内のいさかいを目の当たりにして育つ子供もいます。こうした家庭内の暴力は児童虐待に当たり、子供に著しい心の傷を負わせ、暴力の連鎖が心配されます。DV加害者の中には、社会的責任の大きい、社会的地位の高い人も多いと言われますが、彼らに共通するのは、自己肯定感が低いこと、役割意識や他人からの評価に依存する傾向が強いこと、対人関係が苦手なことだそうです。2001年にDV防止法が施行され、さまざまな対策が講じられていますが、DV事件は一向に減る様子が見られません。加害者の更生プログラムには難しさもあるため、誰をも加害者にも被害者にもしないためには、今後も若者に向けてのDV防止の啓発活動が継続して展開されることが必要です。発達に課題を抱えた子供にかかわる問題、外国人の子供支援の問題とも共通する、いかに自己肯定感がある人間を育てるか、それがこれからの浜松市にとって大きな課題のように思えます。 さて、最後の質問です。質問の3番目、フェアトレードタウン浜松の今後について質問いたします。 平成29年11月に浜松市はフェアトレードタウンとして認定され、静岡文化芸術大学で開催されたフェアトレード全国フォーラムで、鈴木市長にフェアトレードタウン認定証が授与されました。平成30年2月には、静岡文化芸術大学がアジア初のフェアトレード大学に認定されています。しかし、その後の活動を見ると、一般市民への理解に結びついているのかと不安になります。また、フェアトレードタウンの審査は3年ごとに更新が行われ、その際には以前よりその取り組みが前進していることが求められますが、一旦フェアトレードタウンとして認定されても、その後の状況次第では認定が取り消されるという事態もあると聞いています。今後もフェアトレードタウン浜松として発展し続け、活動がより活発になるために質問をいたします。 まず、1点目としてフェアトレードタウン認定の理解についてです。 日本フェアトレード・フォーラムが定めている6項目のフェアトレードタウン認定基準によれば、運動の展開と市民の啓発が2つ目の基準として挙げられています。 そこでアとして、フェアトレードタウン認定後の一般市民の理解度とその進みぐあいはどのように把握しているのか伺います。 イとして、理解が高まるようなイベントやキャンペーンはどの程度行われているのか伺います。 また、2点目として自治体によるフェアトレードの趣旨と普及も6つ目の基準として挙げられ、自治体内への普及を図っているかが問われています。そこで、フェアトレードの普及を図る上で、まずは本市職員への周知及び本庁舎を初め公共施設でのフェアトレード産品の利用について、さらに、市民への周知について伺います。 3点目として、フェアトレード産品を使用した給食について伺います。 11月28日には、一部の学校でフェアトレード産品を使用した給食が実施されたと聞きました。その内容について、そして今後の展開について伺います。 4点目として、フェアトレードタウン浜松の発展のための鈴木市長の意気込みを伺います。 本市では、さきに認定された3都市、中でも800回を超える市民団体によるイベント開催を経て認定に至った名古屋市に比べると、市民団体の活動開始から短い期間に認定を受けることができました。これは、市長と議会が積極的に支援をした成果であり、今後のフェアトレード運動の推進についても行政の責務は大きいと考えます。そこで、フェアトレードタウン浜松がますます発展を続けるための行政の取り組みについて伺います。 御答弁よろしくお願いいたします。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎市長(鈴木康友) それでは、3番目の4点目、フェアトレードタウン浜松発展のための取り組みについてお答えをいたします。 本市がフェアトレードの理念を支持し、その普及を通じ世界に貢献する都市となるためには、さらなる普及啓発が必要と考えております。このため、市とはままつフェアトレードタウン・ネットワーク、フェアトレード大学であります静岡文化芸術大学が連携し、フェアトレードの活動を促進してまいります。また、浜松市消費者教育推進計画に基づき、幼児期から高齢期まで生涯を通じフェアトレードについて学ぶ機会を提供し、認知度の向上を図ってまいります。民間事業者の育成につきましては、フェアトレード産品の新たな開発や導入、販路拡大のため、事業者同士の連携が進むよう支援をしてまいります。また、浜松市はSDGs未来都市として、FSC森林認証を取得している天竜材の販売促進や再生可能エネルギーの導入拡大などに力を入れております。こうしたフェアトレードの理念に合致した取り組みも継続し、フェアトレードタウンとしての発展に努めてまいります。
    ◎市民部長(山下昭一) 1点目のフェアトレードタウン認定の理解についてお答えいたします。 まず、1つ目の市民の理解度でございますが、フェアトレードタウン認定前の平成28年度に実施された広聴モニターアンケートでは、フェアトレード商品の購入経験において、買ったことがある、知っているが買ったことはないを合わせた、フェアトレードを理解されている方は35.1%でございました。フェアトレードタウン認定後の平成30年度のアンケートでは44.1%と9ポイント上昇しており、フェアトレードを理解されている方の割合は高くなっていると考えております。引き続き状況を把握し、啓発に努めてまいります。 次に、2つ目のフェアトレードの理解を高めるイベントやキャンペーンにつきましては、これまで、市民を対象としたフェアトレードを学んでいただくイベントとして、はままつ消費者教育フェア、はままつエシカル消費フェア、浜松エシカルミーティングを開催しております。平成29年度からはくらしのセミナーにおいて、フェアトレードをテーマとした講座を設けております。今年度は、親子でフェアトレードを学んでもらえるよう、夏休み親子消費者教室もフェアトレードをテーマに開催いたしました。さらに、消費生活展や本館ロビーで年2回行っているパネル展示でもフェアトレードの啓発を行っております。 次に、2点目の庁内でのフェアトレードの周知と産品の利用状況についてお答えいたします。 来年度において、職員がフェアトレードを理解し、各課で実施している事業との関連性などを学ぶ研修を計画しております。この研修の中で、公共施設におけるフェアトレード産品利用の現状を把握し、事業へ取り入れるきっかけとなるよう働きかけてまいります。 市民への周知につきましては、平成26年度にフェアトレードをテーマとする啓発冊子を中学生向けと一般向けの2種類作成し、中学生向けは市内全中学校に、一般向けはイベント等で配布いたしました。平成27年度からは、フェアトレード産品を販売する店舗を示したフェアトレードマップを作成し、イベント等で配布したほか、フェアトレード産品を取り扱う店舗や協働センターなどで配布しております。また、平成28年度には、ものを選ぶ基準の一つとして、フェアトレードの観点があることを学べる小学生向け消費者教材を作成いたしました。昨年度は、高校生向けの教材といたしまして、フェアトレードタウン浜松編を含めた映像教材と指導ガイドを作成し、家庭科や公民科などの授業の中で活用していただいております。 次に、3点目のフェアトレード産品を使用した給食についてでございますが、フェアトレード産品の学校給食での使用は、児童・生徒に対して、人権教育、消費者教育の観点から、フェアトレードの基本理念とその意義について伝えるとともに、その保護者に対する啓発を目的としております。今回、引佐学校給食センターの受配校において、フェアトレード産品の中からごまとごま油を選択し、ごまふりかけとごま油を使用した豚汁を11月28日に提供いたしました。また、同日、引佐南部中学校で、くらしのセンターの職員等を講師といたしまして、フェアトレードに関する授業を行いました。他の受配校でも、昼の放送でフェアトレードについての紹介を行っております。しかしながら、フェアトレード産品を給食で使用する場合には、価格が高いため限られた給食費を圧迫すること、給食に適した商品が少ないこと、商品サイズが大量調理用のものではないなどの課題が挙げられます。今後は、給食センターと学校からのヒアリングをもとに、効果と課題を検証し、給食での使用について検討してまいります。 ◆17番(須藤京子) 議長、17番。 ○議長(飯田末夫) 17番須藤京子議員。 ◆17番(須藤京子) 御答弁ありがとうございました。市長には、2度目の御登壇ありがとうございました。 フェアトレードでございますけれども、全国で初めてのフェアトレード大学に認定された静岡文化芸術大学とも連携しながらその理解の促進に努めるとの御答弁でした。学ぶ機会の提供も認知度の向上には役立つのですが、産品の紹介や販売促進など、もっと楽しい、わくわくするようなイベントの企画の啓発活動はいかがでしょうか。認知度は、認定前の35.1%から44.1%に上がったということですが、大々的に報道されたからには、もう少し認知度が上がってもよいのではないかと感じます。庁内でのフェアトレードの周知にしても、職員への研修ばかりではなく、庁内でのフェアトレード産品の利用は考えられないでしょうか。ちなみに私ども自民党浜松では、時々フェアトレードコーヒーを購入して飲んでいます。全てをフェアトレード産品にかえるのではなく、一部をそれにかえることでも皆さんの意識は変わります。また、庁内には自動販売機が設置されていますが、自販機の中には、フェアトレード産品が買える自動販売機もあると聞きます。そうした自販機を設置することでも、市役所を訪れる市民の中に、フェアトレードは身近なものという意識を育むのではないかと思います。どうか御検討いただくようお願いいたします。 給食へのフェアトレード産品の使用ですが、引佐学校給食センターの受配校、中学校2校、小学校5校、幼稚園6園への給食にごまとごま油が使用されました。これも、子供たちには食を通じてフェアトレードの理念が身近に感じられる企画だと考えます。今後は、給食センターばかりではなく、自校方式の学校でも扱えるような配慮をお願いいたします。既に小学生や中学生には教材が授業で活用されており、今後の理解の広がりに大きな期待が持てます。 先月11月初めに篠原中学校の文化祭で、平成30年度生徒会がフェアトレードについての発表を行いました。「フェアトレードタウン浜松に生きる中学生として」というのがそのタイトルです。残念ながら私は参観できなかったのですが、いただいた資料を見ると、他国での児童労働の現実やフェアトレードの意味、伝えることから始まる意識の広がりについてもしっかりとした考えが述べられていました。その中に、浜松市は全国で4都市目のフェアトレードタウンに認定されています。僕たちは、世界の幸せを支える選択をすると宣言した浜松市で育っていますとありました。彼らのプライドを感じます。浜松市立高校でも、生徒が主体となった取り組みとして、フェアトレード商品の限定販売や図書室へのフェアトレードコーナーの設置がされたと聞きました。確かに若い世代にはフェアトレードの理念が根づいてきています。彼らの成長に浜松市の未来がかかっているのかもしれません。来年、2019年には再び静岡文化芸術大学でフェアトレード全国フォーラムが開催されるようです。そこでは、今よりずっと進化した、浜松市と大学の連携した姿が見られることを期待します。 今回は、浜松市における人の育ちへの支援を基本に質問を考えました。人を育てるではなく、育つための支援です。これからの浜松市が、確かな人財、人は宝です。それが育つまちとして発展することを切に願って、私の一切の質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(飯田末夫) 次に、14番松本康夫議員。(拍手) ◆14番(松本康夫) 皆さん、こんにちは。自由民主党浜松松本康夫でございます。 今年度は議員野球も、雨の影響にて、ヘルメットを飛ばすこともなく、悔いの残るシーズンでございましたが、きょうは2番バッターとして一般質問をさせていただきたいと思います。通告に従いまして、分割にて質問をさせていただきます。各所管の皆様、一発回答をよろしくお願い申し上げます。それでは、質問に入ります。 1番目、学校の未来についてです。 地元では毎朝、小学生の子供たちが集団登校をしています。ヘルメットにはリーダーシールを張った上級生、そして後方からは副リーダーが低学年を見守りながら、早い登校班は7時には学校へ向かい、そしてPTAや子供会の皆さん、自治会やスクールガードの皆さんが毎朝見守りや声かけ運動などの支援をしてくれています。また、校長先生も登校時には児童と一緒になり最後の班の子供たちと歩く姿があり、そして、正門では先生が旗振りをして子供たちの登校を迎えます。何気ない毎朝の風景ですが、これが地域と学校の朝の始まりです。 (1)として、平成30年2月9日に文部科学省から「学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時間管理等に係る取組の徹底について」という通知が示された。この内容を踏まえながらの考察と現場での考えや取り組みについて、以下2点、花井教育長に伺います。 アとして、働き方改革と地域とのかかわりについてです。 「各教育委員会においては、これらの取組について、学校や地域、教職員や児童生徒の実情に応じて、順次適切に取組を進めること」と記されている。これまでの学校と地域のかかわりについては、その地域の歴史と伝統、文化があり、それを感じながら子供たちも育ち、また学校も地域とともに歩んできたと思う。この方針における地域とのかかわりについて、教育委員会としてどのように考えているのか見解を伺います。 イとして、働き方改革推進に当たっての課題と今後の対応についてです。 通知では、学校が担うべき業務、教師が担うべき業務を改めて整理した上で、教師の専門性を踏まえ、各学校や地域の実情に応じて役割分担の適正化を図っていくことが必要とされている。本市においても、地域ごとに環境や実情が異なり、学校と地域とのかかわりも多岐にわたるが、この調整は各校長に判断を委ねられている。学校における働き方改革を進める上で、教育委員会としてどのように課題を認識しているのか。また、各地域において学校における働き方改革に係る取り組みへの理解や協力、学校と地域の役割分担について、学校と家庭、地域が協議する場が必要であると考えるがどうか伺います。 (2)として、夏場の室内環境は、室温25度から28度、湿度は55%から65%が目安と言われています。さて、ことしの夏も猛暑が続き、気象庁の測定では、本市の7月、8月を合わせ、30度を超えない日は7日間、平均湿度についてもわずか5日間のみが、目安とされる湿度であった。私の経験上、空調設備の設置は、常に気温と湿度のバランスがとれた環境と保全の重要性も考え、施工に当たります。また、余談かもしれませんが、本庁の空調設備も随分老朽化しており、早めの対応が必要かと思いますが、このことについては市長に御検討願うとして、学校空調の考え方について、以下3点、伊熊学校教育部長に伺います。 アとして、エアコン設置の工程についてです。 文部科学省は10月16日、平成30年度補正予算案を公表した。熱中症対策としての空調設置に817億円を計上し、これを受け、本市もまず45校の小・中学校への平成31年度内のエアコン設置を発表した。財政的な優位性と直接方式による工事期間を考慮しての判断であった。今後の工程では、当初、平成32年8月末を目途として全ての学校についても設置を目指していくことになるのだが、懸念すべき点は、全国一斉にこの臨時特例交付金等を活用し設置に向け動き出しているため、エアコンの台数確保、業者の確保などにあることは明白である。大切なことは、期間内完了を急ぐ余り品質や教育現場への影響をないがしろにしないことである。こうした点に鑑みると、平成32年8月末を目途とするのは無理だと思うがどうか伺う。 イとして、維持管理体制についてです。 エアコンの設置に当たり、PFI方式では、その資産はSPC--特別目的会社の管理として保全されるため、その責任において維持管理が保証されるものである。市の責務としてモニタリングという監視は必要であるが、SPCによる保全効果はあると考える。一方で直営方式は、防音対策校を合わせ、本市が担い管理を行う必要がある。今後、ランニングコストなどを含め維持管理体制をどう考えているのか伺います。 ウとして、エアコン設置における環境対策についてです。 空調設置においての動力源は電気・ガスなどの熱源を利用することになると思うが、本市では平成29年に浜松市地球温暖化対策実行計画修正版を策定し、地球温暖化対策を総合的かつ計画的に推進するためのリーディングプロジェクトを掲げ、市民・事業者・市が一体となった取り組みを進めてきた。これだけの台数のエアコン設置となれば、そうした環境対策を考慮した対応も必要であると考える。設置においてはどのような対策を考えているのか伺います。 (3)として、学校施設は、児童・生徒等の学習・生活の場であり、また、地域住民が利用するコミュニティーの大切な場でもある。非常時には地域の避難所としての役割も担う。日常の安全はもとより、災害時においても十分な安全性、機能性を有することが求められ、建築当初には確保されていた性能も経年劣化等をしていくことから、以下2点、同じく伊熊学校教育部長に伺います。 アとして、施設維持管理について。 平成32年度中に学校施設の長寿命化計画書が示される予定である。校舎、体育館、運動場などの学校施設142施設92万平方メートルについては、日常的な点検・修繕など小規模から大規模なものまで広範囲にわたるが、これまでの発注形態、施設維持管理についての課題を含めて、今後の体制についてどう考えているのか伺います。 イとして、台風24号における課題と改善についてです。 先般の台風24号での学校施設への影響について、各議員からそれに即した質問もありましたが、停電による学校業務の停止、断水など、私の地元の学校では半日休校が2日間、全日休校が1日となった。台風翌日の学校連絡では、当日の停電の影響で学校からの連絡が届かなかったが、保護者やPTAの皆さんの迅速な対応と御協力により、それを受けて子供たちは学校に向かうことができた。地域から、これで避難所として大丈夫なのかとの声もあり、地域住民の皆様からすればそう思うのは当然です。今回の台風を受けて、その課題と改善をどう考えているのか伺います。 2番目の質問です。上下水道の未来についてです。 台風24号が本市を直撃した記憶は新しいものです。改めて水道、電気、ガスのありがたみと水道事業の大切さを再認識させられました。平成29年度水道事業年報によれば、広大な面積を有する本市の水道管は約5158キロメートル、自己水源約55%、遠州水道からの受水約45%を合わせて約38万トンの配水量を有し、1家庭で1日約1トン強になります。しかし、本年8月の上下水道事業経営アドバイザー会議資料では、法定耐用年数を超えている管路--経年管路が903キロメートル、さらに30年後の経年管路延長は4512キロメートルとなり、総延長の約83%が経年管路となるとしている。また下水道管については、11の下水処理場、19のポンプ場、3500キロメートルを超える管渠延長と膨大な施設を有しており、今後50年間の試算では約5200億円もの更新経費が必要とされている。そうしたことを踏まえて、以下4点について寺田水道事業及び下水道事業管理者に伺います。 (1)遠州水道の見直しについてです。 昨年、遠州水道における年間計画給水量と年間実使用水量においての費用負担の見直しについて質問をしたが、遠州水道は、県が4市1町に水道水を供給する広域事業であり、県の受水に係るコスト削減は、大きな経営課題として引き続き協議していくという答弁であった。 しかし、平成29年3月に策定された静岡県水道施設更新マスタープランでは、本市の計画給水量に関しては、現行の1日16万5500トンを更新基準年度となる平成44年度からは約半分の1日8万2200トンへと、また5市町全体でも、現行1日29万2100トンから1日16万9600トンへと大幅に削減する見直しとなっている。これを実行するための各市町の計画給水量をもとにした平成30年度から向こう60年間の改築費用として約1185億円が示されており、平準化すれば毎年約20億円もの更新費用となる。県は水道事業の広域性の重要性を示しているにもかかわらず、これでは4市1町に対する負担が示されただけで、これが協議の成果であれば残念である。例えば、井戸の水源19.6%をふやせば、太田川系受水以前の給水量だけでも十分可能である。遠州水道の現状にとらわれることなく、本市単独での見直しを図ることはできないのか、これまでの協議にかかわる経過も含め、考えを伺います。 (2)下水道ビジョンについてです。 平成27年に策定された汚水処理10年プランでは、都市部は下水道、過疎地は合併処理浄化槽ですみ分けをし、汚水処理全体の早期概成を図ると示されている。また、下水道ビジョンでは、老朽化を見据え予防保全型の維持管理と更新を行うこととしているが、現在の取り組み状況と、今後具体的にどう進めていくのか伺います。 (3)管路を含めた今後の運営管理についてです。 下水道では、平成30年度から西遠浄化センター等に運営委託方式が導入され、他の浄化センターについても9浄化センターに包括的民間委託が導入されている。今後、下水道については、管路を含め官民連携を進めていく考えであるのか伺います。 (4)技術継承、人材確保についてです。 市の下水道担当職員1人当たりの管渠延長は全政令市で最も長く、その背景には職員の高い技術力と効率的な維持管理がある。しかし、職員の将来を見据えたとき、少数精鋭であるがゆえ、育成には5年以上は必要とされる中で、育てた人材が他部へ異動してしまうことも考えられ、技術継承、人材確保が果たして図れるのか伺います。 ここで分割とさせていただきます。御答弁のほどよろしくお願い申し上げます。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎教育長(花井和徳) 第14番自由民主党浜松松本康夫議員の御質問にお答えいたします。 御質問の1番目の1点目、学校における働き方改革に関する通知を踏まえた考察と取り組みについての1つ目、働き方改革と地域とのかかわりについてでございますが、教育委員会では、昨年12月に文部科学省から示された学校における働き方改革に関する緊急対策や議員御指摘の本年2月の文部科学事務次官通知等を踏まえ、3月に学校における働き方改革のための業務改善方針を策定し、教職員の本来業務である授業や児童・生徒の指導に専念できる環境づくりに向けて取り組んでいるところです。地域とのかかわりにつきましては、文部科学事務次官通知の中で、教育委員会が取り組むべき方策の一つとして挙げられており、各学校の取り組みを踏まえ、学校・家庭・地域の連携を促進することとされております。また、教育基本法においても、それぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めることとされています。本市の第3次教育総合計画では、教育理念の一つとして「市民協働による人づくり」を掲げており、働き方改革に取り組む上で、地域との連携・協働は必要不可欠であると考えております。 次に、2つ目の働き方改革推進に当たっての課題と今後の対応についてでございますが、学校における働き方改革を進めていく上で、家庭や地域の理解と協力は不可欠であり、これまでも家庭・地域への通知や広報はままつ等を通じて周知を図ってまいりましたが、取り組みに対する理解は十分であるとは言えないと認識しております。また、役割分担及び適正化につきましては、本市の多様な地域とのかかわりの状況や自治会役員の担い手不足等の課題が顕在化している状況もあることから、学校・家庭・地域が相互に理解し合った中で役割を担っていくことが重要であると考えております。今後は、家庭・地域の理解や協力を得られるよう、学校における働き方改革の普及啓発に引き続き努めてまいります。また、これまでにも地域と学校が協議してきたさまざまな機会の場や、平成32年度から段階的に導入予定のコミュニティ・スクールにおいて設置される学校運営協議会の場を活用し、地域の特性に応じた学校・家庭・地域の役割について協議する中で、相互理解を図りながら取り組みを推進してまいります。 ◎学校教育部長(伊熊規行) 2点目、学校空調の考え方についてお答えいたします。 まず、1つ目のエアコン設置の工程についてでございますが、本市では、既に設置済み等の学校を除き、平成32年8月末を目途に市内の小・中学校127校約2000教室へのエアコン整備を進める方針を固めておりました。来年度中の整備完了が条件となる国の臨時特例交付金創設を受け、全体の約3分の1に当たる小・中学校45校を前倒しして整備を進めることにいたしました。こうした中、静岡県を初め全国の自治体がエアコン整備に向けて一斉に動き出しており、機器や施工業者の確保が困難な状況になっていることは、議員御指摘のとおりでございます。機器の品質確保や子供たちの教育環境への影響にも十分考慮しながら早期の整備完了を目指してまいりますが、現在の状況に鑑みますと、平成32年8月末までの整備完了は大変厳しいと認識しております。 次に、2つ目の維持管理体制についてでございますが、PFI方式によってエアコンを整備する場合は、特別目的会社いわゆるSPCが整備後13年間の維持管理を担うこととなります。SPCは、機器設置後の維持管理業務を見据えた設計・施工を行うため、整備中及び整備後も期間を通して性能が保証されるとともに、機器の修繕・交換等についても迅速な対応が可能となります。一方、直営方式でエアコンを整備した場合、法定点検や保守点検、修繕、交換等への対応等、維持管理業務は別途対応が必要になります。今後につきましては、直営方式で整備した学校につきましても、ランニングコスト面も念頭に置きながら、PFI方式で整備した場合と同様に、一括した維持管理ができるような体制づくりに取り組んでまいります。 次に、3つ目のエアコン設置における環境対策についてでございますが、市内小・中学校におきましては、平成27年度から太陽光発電やバイオマス発電といった再生可能エネルギーを供給源とする株式会社浜松新電力の電気を購入し、コスト縮減や環境対策に取り組んでいるところです。小・中学校の空調設置につきましても、直営方式、PFI方式等整備手法にかかわらず、地球温暖化防止のための効率的なエネルギー利用、二酸化炭素排出量の削減やフロンガス等の漏えい防止、維持管理費用を含めたライフサイクルコストの縮減等に配慮し、運転効率の高い空調機の導入や適切な運転管理を行うことで、環境にも考慮した対策を講じてまいります。 次に3点目、学校施設についてお答えいたします。 まず、1つ目の施設維持管理についてでございますが、現在、学校の施設や設備の維持管理の上で必要な業務につきましては、建物の内外部や屋上、防火設備等を定期的に点検する数多くの委託業務があります。業務を発注する際には、内容を精査し、同種の委託業務につきましては、幼稚園や庁舎、協働センターといった他施設と統合する、あるいは地域単位で集約するなど、一括して発注する形態をとることでコストや事務負担の低減に努めているところでございます。こうした中、平成32年度までに学校施設の長寿命化計画策定を進めるため、本年度から個別施設ごとの老朽化状況や改修更新の時期、更新に係るコストなどを調査しております。今後につきましては、まず、この長寿命化計画に基づき、施設の維持管理におけるこれまでの課題等を整理いたします。その上で、業務の発注形態も含めてさらなるコスト削減や事務の効率化を図るため、施設の維持管理体制を検討してまいります。 次に、2つ目の台風24号における課題と改善についてでございますが、台風24号による被害につきましては、実態を調査した結果、市内の小・中学校144校のうち95校において停電の発生を確認しております。停電による影響で保護者への連絡メールや電話、水道、トイレ等が使えなくなり、学校運営に支障が生じる結果になりました。今後につきましては、本年度中を目途に、大規模停電を想定した対処基準を設け、児童・生徒の安全確保に万全を期してまいります。また、クラウド型メール配信システムや停電対応用電話機等を活用して複数の連絡手段を確保した上で、可能な対策を早期に実施してまいります。 ◎水道事業及び下水道事業管理者(寺田賢次) 次に、2番目の上下水道の未来についてお答えします。 まず、1点目の遠州水道の見直しについてですが、来年度の改定に向けて基本水量の見直し及び基本料金単価、使用料金単価の見直しを、県及び関係5市町と延べ7回の協議を重ねてきたところです。県は5市町の合意案を前提に協議に応じることを条件としているため、5市町間の協議を中心に進めてまいりました。 5市町間の協議結果ですが、基本料金については、現行では減価償却費などの固定費を5市町が基本水量の割合でそれぞれ負担する仕組みとなっています。このようなことから、基本水量の見直しをする場合、負担増となる市町が出てくるため、5市町間の合意形成はできませんでした。また、平成30年度から県企業局の水道施設更新マスタープランがスタートしたことから、これに伴う負担見直しの可能性につきましても協議を試みましたが、結局合意を得られず、基本水量の見直しは断念せざるを得ませんでした。一方、料金単価の見直しについては、基本料金単価、使用料金単価とも5市町で合意に至ることができ、県の試算結果として示された基本料金単価32.5円、使用料金単価12.3円から12.4円に対し、合意案として基本料金単価32円、使用料金単価11円で要望したところです。 また、今後の遠州水道からの受水についてですが、60年間の水道施設更新マスタープランについて、県は、今後の更新整備は水需要の減少によるダウンサイジングが基本になるものの、事業費が増になることもあり得るなどの見解を示しており、平成44年度以降、更新が本格化する以外は具体的な整備方針は明らかにしておりません。一方、本市の契約水量と実際の受水量は大幅に乖離していますが、今後はさらに水需要が減少し乖離が広がることが予想されます。このようなことから、来年度実施する配水区域再編計画の策定作業の中で、将来にわたる水需要の総量を精査するとともに、自己水源である井戸のさらなる活用の可能性も含め、今後の水運用全体のあり方を慎重に検討し、遠州水道からの受水の方向性を見きわめていきたいと考えています。 次に、2点目の下水道ビジョンについてお答えいたします。 本市は現在、汚水処理10年プランにより、下水道処理が有利な区域は下水道整備を、人口密度が低く非効率な区域は補助金により合併浄化槽の設置を推進しています。おおむね計画どおり進捗しており、平成29年度末の汚水処理人口普及率は89%です。 また、増大する老朽化施設の対策としては、施設の重要度と危険度の両面を踏まえて優先順位づけを行いながら、効率的かつ効果的なストックマネジメントを実践します。例えば、点検の結果、老朽化が判明した重要な管路や主要な処理場、ポンプ施設などの優先度の高いものは異常が起きる前の予防保全、それ以外は事後保全として修繕などの維持管理を行います。また、改築が必要な場合でも、施設全体の更新よりも効率的な場合には、部分的な補強等により施設の長寿命化を図ってまいります。 次に、3点目の管路を含めた今後の運営管理についてお答えします。 今後の官民連携は、汚水のみを処理する分流式区域について積極的に取り組んでまいります。施設については、改築更新時期などを見据え、統廃合やダウンサイジングを進めるとともに、現在の浄化センターの包括的民間委託の範囲を拡大するなど、さらなる効率的な運営手法を検討してまいります。また、管路については、今後老朽化が本格化することを踏まえ、平成27年度から10年間で老朽管路の調査点検を進めておりますが、今後は、管路維持修繕に係るノウハウを持つ地元事業者を活用するスキームを検討し、調査と修繕についての包括的民間委託の導入を進めてまいります。その上で、施設や管路全体の状況把握を踏まえ、将来的には運営委託方式の導入可能性も検討してまいります。 次に、技術継承、人材確保についてお答えいたします。 本市は運営委託方式や包括的民間委託を積極的に導入しているため、マネジメント、モニタリングができる技術職員を確保しつつ、効率的な事業執行に努めています。技術職員の育成に関しては、技術研修実施方針のもと、庁内はもとより下水道協会等が開催する専門分野での外部研修や、大都市や近隣市町と連携した広域的な研修などにも積極的に参加し、技術向上を図っています。また、今後のベテラン職員の退職に備え、若手職員の育成とモニタリング能力向上のため、経験豊富な再任用職員を技術アドバイザーに充てるとともに、機械・電気・水質部門で熟知している技術職員を教えあいリーダーとして選任し、上下水道部全体で研修等を行うなどにより技術継承を図っています。一方で、上下水道部として機械・電気・水質など専門的人材を長期的に確保することも課題となっています。現在は、キャリアアップに重きを置いた他部局との交流を行っていますが、確実な技術継承を可能とする人事交流についても人事部局と調整してまいります。 ◆14番(松本康夫) 議長、14番。 ○議長(飯田末夫) 14番松本康夫議員。 ◆14番(松本康夫) 御答弁ありがとうございました。ここからは意見・要望を述べさせていただきます。 1番目の学校の未来についてです。 アとイの働き方改革と地域のかかわりですが、先般発生した台風24号の影響により、北区細江町の小学校では、学校給食の供給ができないことを察し心配された地元の保護者やPTAの方々が、子供たちのためにお弁当づくりをしようと学校へ問い合わせがあったそうです。その話を校長先生から伺い、これがいざ災害時における地域のあらわれだと感じました。どの学校長もその答えはすぐに出せないはずです。働き方改革のみが先行しないよう、地域あっての学校であることを念頭に、学校任せにしないで教育委員会としてしっかりと学校現場の状況を検証し、また、コミュニティ・スクールが今後より充実していくためにも、地域に愛される学校でいられるよう努めてください。 学校空調全般の質問、ア、イ、ウについてですが、工期は大切ですし、保護者の方々は大変に期待をしておりますが、工期を急ぐ余り品質や子供たちの学習機会に影響を来してはなりません。後になり問題が起こらぬよう、設計段階から保守・メンテナンスまで、しっかりとした環境に配慮した施工と温暖化防止対策を実行してください。 アの学校施設についてですが、これまでの維持管理体制を大いに見直しし、老朽化した建物ほど常日ごろから保守保全が重要であり、それは長い目で見れば、大きな事故を防ぎ、子供たちの安全にもつながります。一括した維持管理の手法を含めた効果的な管理、発注計画の策定をお願いいたします。 イの台風被害への課題ですが、連絡手段の確保とあわせて、より具体的に、誰がどう対応していくのかということと、非常電源の確保を含めた実効性の高い対応をお願いいたします。 2番目の上下水道の未来についてですが、1の遠州水道については、浜松市では1つ目の課題として、現在の基本料金約19億円に対し実使用水量と基本水量の差、いわゆる未使用水量と表現される部分の基本料金は約9億円にもなり、これを平成43年度まで払い続けることになる。2つ目として、当初建設時の2倍と見込まれる今後の施設更新により、さらに基本料金負担が上がる可能性もある。そもそも現行の基本料金の体系を設計したのは事業主体である県にもかかわらず、各市町の増減を伴う基本料金の負担の仕組みを変えずに、5市町での合意を協議の前提条件とする県の考えは到底理解できません。答弁にもあったように、今後も県との協議を継続し、本市としての立場を明確にし、将来的にも県も市町も公平な負担に基づいた広域的水道事業として市民負担に影響が起きないように、早期に本市独自の検証を進めていただきたいと思います。 2、3、4の下水道についてですが、下水道管についても官民連携についての考えがあるようだが、既設の管路等をマネジメントするためには現場での検証が要請されます。そのためにもまずは人材の育成をしっかりと図った上で、効果的な取り組みを示していただきたいと思います。 それでは、次の質問に移らせていただきます。 3番目、地域とまちづくりの未来についてです。 地域コミュニティーと行政のかかわりについては、私もこれまで自治会役員や民生児童委員、主任児童委員という経験を生かし、この3年間、常に自治会を主体とした質問をさせていただきました。本市がこの先目指す区の再編について、一つには協働センターを核とした地域コミュニティーの重要性を示しています。現場ではコミュニティ担当職員が常駐し、その体制は幾らか景色が変わったと思います。私も生まれも育ちも浜松市ですが、それぞれの区の地域事情を理解することは、そこで暮らしている方々にはかないません。これだけの面積を持つ本市ゆえの特色かもしれませんが、改めてその大きさを再認識させられます。新たな行政区、行政サービス提供体制など、市民、住民に対してのサービス維持の方策について、確認のため以下4点について山下市民部長に伺います。 (1)(仮称)地域委員会の役割についてです。 新たな行政区、行政サービス提供体制(案)についての「意見を聴く会」の説明資料では、区が大きくなると住民の声が市政に反映されないのではないかという懸念に対して、市民の皆様と協働して地域づくりを進める仕組みとして、区協議会の運営の継続、合区した区においては現行の区単位で部会を設置し住民意見を集約します。また、(仮称)地域委員会を設置できることとしているが、自治会を中心とした住民が市政に参画する機会を拡大しますとも示されている。先般の中区の地区自治会連合会長を対象とした説明会では、鈴木副市長から地域によっては協働センターの再配置も検討するという御発言もあったが、その中において、協働センターを中心とした市民協働による地域づくりの推進のための地域委員会は大変に重要であると私は理解しているが、ただし、任意設置となっている。住民生活へのメリット、そして行政としてどのような効果を期待していく考えなのか伺います。 (2)として、住民負担の軽減策についてです。 地域住民の代表者として、自治会、民生委員、PTA、子供会、体育振興会、シニアクラブなど、さまざまな役割を担っている人たちが、行政サービスの行き届かない部分を補完してくれているからこそ、町が成り立っています。その役割も重複しており、例えば校区や地区単位では、地区社会福祉協議会、地域包括協議会などの協議体、地区民児協、健全育成会などがあり、また、自治会レベルの日常生活圏域では、住民自治を取りまとめるための地域活動もあります。役員の高齢化とあわせて担い手不足の課題として、1つには、退職後も仕事につかれているため参画ができない、また、任期についても負担の多さから1年、2年で役職を退任されてしまい、後任探しに苦慮するなど、こうした課題は市としても認識を持っていると思います。行政主体の事業をこなすだけにならないよう、事業施策を部局横断的に精査し、事業の見直し、廃止を検証した中で、(仮称)地域委員会の活用により負担軽減ができないのか伺います。 (3)コミュニティ担当職員の役割についてです。 コミュニティ担当職員は、区における協働センターで勤務する職員として、職務上の権限は有していないが、部局横断的な役割として、例えば地域の課題・要望を具現化するためにどのような役割を担っていくのか伺います。 (4)コミュニティ担当職員とコミュニティソーシャルワーカー--CSWとの連携とすみ分けについてです。 行政職員であるコミュニティ担当職員は協働センターに、浜松市社会福祉協議会の職員であるCSWは地区センターに配置される。CSWについては、浜松市社会福祉協議会の職員を任命し、浜松市と浜松市社会福祉協議会が連携して配置する福祉の専門職として示されている。ともに地域の相談窓口としての職責を担っているが、その性格は、違う形での支援活動と認識はしているものの、連携は必要と考える。その役割のすみ分けについて具体的にどう考えているのか伺います。 4番目、財政の未来についてです。 (1)立地適正化計画による現在の課題と財政効果についてです。 浜松市立地適正化計画(案)が示され、計画の目的として、人口減少・少子化・超高齢化社会では、子育て世代や高齢者も安心して快適に暮らせると同時に、財政面や経済面でも持続可能な都市を実現しなくてはならないとしている。そこでコンパクトシティ実現のためのまちづくりとして、都市機能誘導区域と居住誘導区域の設定方針と、2045年の評価指標が示されているが、立地適正化計画による財政効果について現在の課題も含めてどのように考えているのか、岡本都市整備部長に伺います。 (2)今後の歳入見込みと課税自主権の拡充についてです。 2045年には行政区再編の必要性として、人口減少、超高齢化、社会保障費の増大、インフラの老朽化という問題提起をしている。人口については13万人の減少としているが、しかし、最新の統計では約9万人の減少と大幅に見直しもされている。 さて、サービスを保障するための一般財源である市民税、固定資産税、法人市民税など9種類の税を賦課しているが、市税収入は、福祉、文化、教育、土木、衛生などの公共サービスを持続的に提供する基幹財源であります。今後の社会保障費、インフラへの投資の増大などの歳出規模は示されてきたが、歳入については、現在の歳入の割合と比較してどの程度の減収になると考えているのか。また、その根拠として具体的なシミュレーションを数値として示した上で、財源確保の観点からも課税自主権の拡充に対する考えを堀内税務担当部長に伺います。 御答弁のほどよろしくお願い申し上げます。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎市民部長(山下昭一) 3番目の1点目、地域委員会の役割についてお答えいたします。 地域委員会は、区を再編した場合に、身近な地域の単位で、住民が市政に参画できる機会を拡大するために設置するものです。地域委員会が地域の核となることで、地域のさまざまな団体による意見交換や活動連携が促進されていくと考えております。地域委員会は、現在の協働センター単位で設けることを想定していますが、センターの職員が事務局を担いますので、住民と市が一緒になって地域課題の共有や解決に取り組んでいくことができます。また、地域住民の間で集約された意見や要望などを関係部署へつなぐ機能も果たしてまいります。設置は任意としておりますが、既存の協働センター運営委員会やまちづくり協議会から移行することで、これまでの地域づくりの組織や仕組みを生かすことができると考えています。現在、市内にはコミュニティー維持の問題に直面している地域が幾つかあります。特に中山間地域では地域づくりの担い手不足の問題を抱えていますが、こうした問題は、今後都市部でも顕在化する課題であると考えておりますので、将来的には、地域委員会が母体となって、地域づくりを牽引する組織へと育っていくことを期待しています。 次に、2点目の住民負担の軽減策についてお答えいたします。 地域委員会は、自治会や地区社会福祉協議会、PTA、子ども会など、地域コミュニティー組織の代表者や推薦者で構成する会議体を想定しております。地域住民の代表者の中には、ひとりでさまざまな団体の役職を担っている方もいらっしゃいますので、地域委員会を各種団体のかなめとして横断的な連携を促進することで、幾つかの団体の活動を一緒に行ったり会議の重複を避けたりするなどして、地域住民の負担軽減につながるものと考えています。既に和地地区では地域住民でコミュニティ協議会を組織し、さまざまな立場や団体の方々が集まって地域のことを一緒に考える取り組みが進んでいます。ほかにも佐久間地区や龍山地区に地域密着型のNPO法人などがございますので、こうした例を参考にしながら、地域の負担にならないような組織や仕組みの構築を検討してまいります。 次に、3点目のコミュニティ担当職員の役割についてお答えいたします。 コミュニティ担当職員の役割は、地域に積極的にかかわり、地域づくりに関する相談対応や助言、地域課題の把握や魅力の掘り起こしに努めることです。区再編に伴い地域委員会を設置する地域においては、コミュニティ担当職員が事務局の役割を担い、地域委員会でまとまった意見を行政に伝えたり、行政の考えを地域委員会に説明したりするなど、運営を通じて協働センターの地域づくり機能の強化を図ってまいります。掌握した地域課題や要望については、エリアマネジャーと連携しながら適切な部署へ伝え、区役所内の協議や連絡調整の場である区行政推進会議において、地域事情を踏まえた対応を検討いたします。区内の連携で対応できない案件につきましては、本庁や関係機関につなげるとともに、予算化が必要な場合には、浜松市区における総合行政の推進に関する規則に基づき、区長から関係部長に対して必要な措置の要請を行うなどして、コミュニティ担当職員が最前線で把握した地域課題を市政に反映してまいります。 次に、4点目のコミュニティ担当職員とコミュニティソーシャルワーカーとの連携とすみ分けについてお答えいたします。 コミュニティ担当職員は、身近な相談窓口として地域づくりを支援し、地域課題の把握や魅力の掘り起こしに努めることを役割としています。一方、コミュニティソーシャルワーカーは、福祉に関する専門的な知識や技術を用いて、具体的な支援や助言、地域住民を含む関係者との連絡調整などを総合的に行う人材です。福祉の個別支援や仕組みづくりに加え、地域の中にある生活支援体制づくり協議体や地域住民の福祉推進の支援などを行う地域支援の役割を担っています。こうした地域の中核を担う人材を軸として、地域を巻き込んで支援を展開していく考え方は、社会教育分野を初めさまざまな分野で重視されてきています。分野によっては地域人材に求められる役割や職務は異なりますが、コミュニティ担当職員を初め、同じ地域を対象とする人材同士が情報共有と施策連携を図っていくことは大事だと考えております。 ◎都市整備部長(岡本光一) 次に、4番目の1点目、立地適正化計画による現在の課題と財政効果についてお答えいたします。 本市では、これまで人口の増加に合わせて市街地が拡大してまいりましたが、今後は、急激な人口減少、少子・高齢化が予測されております。これにより、将来、日常生活に必要なサービス施設の撤退や公共交通の運行本数の減少など、市民生活にさまざまな影響が出ることが懸念されております。現在策定を進めている立地適正化計画は、拠点ネットワーク型都市構造の実現に向け、都市機能と居住を公共交通の利便性の高いエリアに誘導することにより、人口減少社会においても、市街地の人口密度を維持し、日常生活に必要なサービス機能を確保しようとするものです。 市といたしましては、今後、誘導区域において、国の立地適正化計画に係る予算措置等の支援制度を活用し、道路や公共施設等の社会資本整備や民間施設の立地誘導を重点的に行うことで拠点性を高め、市民生活の質の向上を図ってまいります。また、インフラの維持管理の合理化や行政サービスの効率化などによる行政コストの低減を図ることで財政効果を高め、持続可能なコンパクトシティの実現を目指してまいります。 ◎財務部税務担当部長(堀内治之) 次に、2点目、今後の歳入見込みと課税自主権の拡充についてお答えいたします。 個人市民税は、平成57年度には約13万人の人口減少に伴う生産年齢人口の減などで456億円となり、本年度当初予算625億円から169億円、約27%の減収となる見込みです。固定資産税は、長期的な傾向として、土地は、都市部で地価の上昇があるものの、需要の減少で、全体としては減収が見込まれます。また家屋も、住宅の需要と新築棟数の減少で緩やかな減収が見込まれます。法人市民税は、企業業績や景気動向の影響が大きいため、予測は困難でございます。 次に、課税自主権でございますが、本市は主要3税目で標準税率を採用しており、超過課税は、財政上の必要性を明確にし、納税者の理解と協力を得て導入すべきものと考えております。なお、法人市民税に関しては、本市と静岡市以外の政令市では超過課税を導入しています。本市におきましては、静岡県が法人事業税で既に超過課税を導入していることと、企業誘致の観点からも標準税率を採用しているところでございます。このようなことから、現段階では標準税率を採用し、収入率の向上に取り組むことで自主財源の確保に努めてまいります。 ◆14番(松本康夫) 議長、14番。 ○議長(飯田末夫) 14番松本康夫議員。 ◆14番(松本康夫) 各所管の皆様、御答弁ありがとうございました。これよりは意見・要望を述べさせていただきます。 3番目の地域とまちづくりの未来ですが、1から4をあわせて、1年前の議会質問にて、協働センターやコミュニティ担当職員の重要性を高めていくためにも、部長、区長にも現場に足を運んでくださいと意見しましたがどうでしたか。私は、現場での声を実際に聞いていますが、ここではあえて申し上げません。地域委員会は、サービス維持強化のための大変に重要な一つと認識しています。行政としても、顔の見える身近な委員会として、住民自治が十分に発揮できるものとして期待はしていますが、それが住民との約束として協働センターを核とした役割をすぐに実現できるものなのか、現在は不安が残るところです。コミュニティ担当職員とCSWについては、連携として双方の協議会、協議体などの参加が不可欠です。相談窓口として片落ちにならないよう、両輪として職責を担い、努めていただきたいと思います。 4番目の財政の未来について、立地適正化計画ですが、御答弁にもあったように、国土交通省の支援措置の活用を通じ、都市計画税の構成比も高めるなど、市街化区域内の条件整備、制度改革は重要です。行政コストの低減効果だけにとどまならない策定効果としてください。 2の課税自主権の拡充についてですが、市民税については約169億円、27%減収、他の2税については緩やかな減少と、試算が難しいということでしたが、地方税の標準税率について、地方税法1条1項5号地方団体が課税する場合に通常よるべき税率としているが、今後の大幅な減収と歳出の増大がある中で、実は課税自主権の拡充の考えもあると思っていましたが、税負担の考えがないということで、市民は安心していると思います。市民が知りたいのは、こうした生活に直接影響のある税金、使用料、利用料がこれからどうなるのかという将来の不安なんです。民間企業のような売り上げ目標ではありませんが、行政経営計画などに財源確保のための考え方や、より具体的に目標値を示していただき、市民の理解が深められるようにしてください。 最後になりますが、区の再編にかかわらず、浜松市の未来について市民が考えを深める一つのよい機会と捉えれば、地域委員会の実効性を含め、財源の根幹をなす市民税等の税収の正確な未来予想を市民に周知することにより、引き続き浜松市の未来像について、自治会を中心とした方々が区や自分たちの住むまちについて改めて考え、市民と行政が一体となった一つの浜松市に大きく踏み出せるはずです。 今回の質問は、浜松市の未来のまちづくりに向かって大きく4点の質問をしましたが、いずれも重要な課題であり、答弁いただいた内容をしっかりと実行していただくことを切望して、お時間も多少残っておりますが、この辺で終わりにしたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)----------------------------------- ○議長(飯田末夫) この際、午後1時まで休憩いたします。     午前11時56分休憩-----------------------------------     午後1時再開 ○議長(飯田末夫) 会議を再開いたします。----------------------------------- ○議長(飯田末夫) 一般質問を続けます。 38番関イチロー議員。(拍手) ◆38番(関イチロー) 午後の最初の質問ですが、市長におかれましては、先週末は大変お忙しかったのではないかと思います。金曜日の長時間の本会議の後、東京へ赴かれまして、深夜1時25分からの「朝まで生テレビ」に未明まで出演され、激論を繰り広げられて、大変お疲れになったのではないのかなと拝察をしておりますが、日曜日に充電されたのか、午前の議場での様子にはその影響はなかったようにお見受けいたしました。 それでは、会派創造浜松所属議員として、さきに通告申し上げた諸点につき、順次質問をさせていただきます。 本市の特徴として、大都市近郊でもなく、県庁所在地でもない、私企業が働く場を創出することにより成長し、海岸線から山間部までの豊かな自然を擁する国土縮図型政令指定都市と、よく表現をしてきました。それは、環境にも恵まれ、先人の進取気鋭の精神、たゆまぬ尽力により成し遂げられたもので、今までの発展と寄与した先人に敬意を表し、誇りを持ってもよいと思います。 しかし、ものづくりの原点は変わらずとも、今後の産業・社会構造の変化に鑑みたとき、今まで同様にすくっとこのまちは起立していられるのか、他政令市と異なる特徴が弱点となり、ほかからの支えのない本市の課題となるのではないかと憂慮しています。 右肩上がりの将来が望めない現況において、全国に20市しかない政令市の一員としての本市は、都市形態について、ある程度のバランス感覚を考慮する必要があり、そのための一つの視点は、市民レベルでの生活の質であり、もう一つは、財政面での安定化からの視点であると考え、本市の今後に寄与できるのではないかと思い、中心市街地の活性化と本市財政について、以下3点伺います。 1点目は、中心市街地の意義と、現在の本市の中心市街地の現状及び本来あるべき方向性と目指す姿について、康友市長に伺います。 2点目は、成熟した社会においては、余暇も含めた多様な生活の質が求められると考えます。新たな工場用地や新たなレジャーの創出も重要ですが、現在本市に住む多様な市民ニーズに応えていく必要を感じています。音楽やビーチ・マリンスポーツだけでなく、文化や教養、ショッピングなど、広がりのある施策が中心市街地で展開されることで、わくわく感が増幅され、にぎわいの創出につながればと考えますが、その際、民間投資の誘導も重要と考え、渡瀬産業部長に伺います。 3点目として、自主財源において、市民税に比べ比較的安定した歳入と言われている固定資産税や都市計画税は、市税収入のうち、5割に近い比率を占め、重要な財源となっています。 本年9月に公表された県内基準地価の平米当たりの市町別最高価格順位で、本市の鍛冶町は第2位の、約61万7000円、第1位の静岡市呉服町の約148万円とは、約2.4倍の開きがあります。しかし、それはそのまま彼我の差異とは言えず、定点評価であることから、本市の評価にはさらに高い地点がありますが、それでも静岡市の優位は変わらない上、高評価値地点の面的広がりは、静岡市のほうが圧倒的に広い面積です。にもかかわらず、固定資産税と都市計画税の歳入を両市で比較してみると、若干静岡市のほうが多いものの、圧倒的な優位さはありません。この点についての見解を伺います。 また、今後本市において、中心市街地の計画区域の地価が、例えば1割向上したとして、どのようなことになるのか、堀内税務担当部長に見解を伺います。 ここで、質問を分割し、答弁をお願いします。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎市長(鈴木康友) それでは、第38番創造浜松関イチロー議員の御質問の1点目、本市中心市街地の意義とあるべき方向性及び目指すべき姿についてお答えをいたします。 本市の総合計画におきましては、JR浜松駅を核とする中心市街地を「創造都市・浜松の顔」と位置づけ、文化、商業、居住や業務などの多様な機能が集積し、にぎわいを見せる「まちなか」を目指すべき姿と定めております。また同計画では、今後の人口減少社会を見据え、本市が目指す拠点ネットワーク型都市の中心拠点としても位置づけており、本市にとりまして重要な場所であると認識をしております。 このため、これまで2期にわたり中心市街地活性化法に基づく活性化基本計画を策定し、国の認定を取得する中で、中心市街地の活性化に努めてまいりました。 今後も引き続き、活性化基本計画により「創造都市・浜松の顔」づくりに取り組んでまいります。 ◎産業部長(渡瀬充雄) 次に2点目、中心市街地活性化における施策の展開についてお答えいたします。 中心市街地活性化については、活性化基本計画で定めた都市機能の充実・強化、魅力的な空間の創出、市民協働によるまちづくりの3つの基本方針のもと、各種事業を展開しております。 まず、にぎわいのもととなり、浜松の顔づくりにも通じる旭・板屋A地区再開発事業、常盤町優良建築物等整備事業、その他民間のマンション建設により、居住環境の整備が進展しております。さらに、はままつトライアルオフィスの開設や、オフィス補助金によるベンチャー企業等の誘致や起業促進に加え、民間によるコワーキングスペース等の供給も力として都市型産業の集積を図っております。 一方、浜松駅周辺の歩行者通行量は増加傾向にあるものの、中心市街地全体への広がりとなっていないことから、浜松市ギャラリーモールから第一通り駅までの遠州鉄道高架下における公共空間の集客力向上を図るため、にぎわいとくつろぎの空間として整備を進めてまいります。 また、中心市街地の活性化には、民間活力が十分に発揮されることが必要であると考えておりますので、浜松まちなかにぎわい協議会を初め、民間団体と連携を強化して取り組んでまいります。 ◎財務部税務担当部長(堀内治之) 次に3点目、中心市街地の固定資産税についてお答えいたします。 固定資産税と都市計画税全体の平成29年度の税収は、本市が約609億円、静岡市が約640億円で、約31億円の差があります。固定資産税を比較しますと、土地の評価額の合計では、静岡市のほうが地価が高いため、約2割上回っています。 一方、家屋の評価額については、本市のほうが棟数が多く、約1割上回っています。 また、償却資産の評価額は、本市のほうが機械・装置が多いことから、約2割上回っており、ものづくりのまちとして発展してきた本市の特性があらわれた結果と考えます。 次に、本市の中心市街地の地価が1割上昇した場合の想定でございますが、平成30年度の課税をもとに単純に試算すると、約1億円の税収増となります。 ◆38番(関イチロー) 議長、38番。 ○議長(飯田末夫) 38番関イチロー議員。 ◆38番(関イチロー) 御答弁ありがとうございました。 御答弁のとおり、市の中心市街地に関する部署の皆様は、施策の中でよくやっていらっしゃると思いますが、約31億円の税収の差は、一考に値すると思いますし、先ほどの中心市街地の都市計画区域は220ヘクタールと、本市面積の0.14%にすぎませんが、税額においては1.4%を占めます。歳入に寄与するだけでなく、地価の評価は都市の評価につながる一面があると思います。 過日発表された日本総研の政令指定都市における幸福度ランキングにおいて、本市は第1位を占めましたし、森記念財団の都市戦略研究所の「日本の都市特性評価(2018)」においても、主要72都市中、第10位と健闘しています。しかし、つぶさにその中身を見てみますと、文化面やにぎわいの面での評価が芳しくありません。 市長の平成20年度の初めての施政方針では、「都心未来創造会議において、魅力的な都心のあり方を議論していただくなど、中心市街地の活性化を図っていきます」と述べられていましたが、平成27年度では、「遊休不動産や空き家の利活用を図るためのリノベーションスクールやシンポジウムを開催し、都心の活性化を促進します」とトーンダウンし、それ以降、平成28、29、30年度の本年まで3年間は、中心市街地について触れられておらず、危惧をしています。また、市民アンケートにおける市政の満足度において、平成18年度からの「中心市街地の魅力とにぎわい」、平成22年度から設問が変わりましたが「JR浜松駅周辺の魅力とにぎわい」は、5段階評価で、不満、やや不満が13年間連続ワーストワンです。そこに市民の皆さんの思いとの乖離があるように思います。 そこで、中心市街地の意義や目指す姿について、市長としての中心市街地の活性化にかける思いはどのようにお考えであるのか、再度の質問をいたします。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎市長(鈴木康友) それでは、関イチロー議員の再質問にお答えをいたしたいと思います。 この問題は、余り抽象論は意味がございませんので、具体的にいろんな項目について議論していく必要があると思います。少し時間をいただき、抽象論ではなくて、私も具体的にお答えをさせていただきたいと思います。 中心市街地、まずやっぱり空洞化ということが大いに進んだので、居住人口をふやさなきゃいけないということで、これまで居住人口の拡大に努めてまいりまして、旭・板屋地区の再開発でありますとか、かなり高層マンションなんかもできつつありまして、そうした人口をまた中心市街地に取り戻すと、これは進んでいるというふうに思うんです。肝心な、これまで町なかの核でありました商業ですけれども、これは大体地方都市というのは、今まで百貨店などがその核となって、にぎわいの創出を行っていたわけですけれども、百貨店自体、この旧来型の総合的な物販ビルみたいなものは、もう地方都市からどんどん消えていって、関議員も御承知のとおりで、最近は地方都市だけではなくて、東京都なんかでもどんどんこうした旧来型の百貨店は消えつつあるというのが実態でございます。 これは、理由としては、一つは郊外型の大規模なまちのようなショッピングセンターというビジネスモデルができたことと、もう一つ、やっぱりインターネットショッピングで、今、百貨店の売り上げをはるかにしのぐ売り上げになっていると。これまでは、ファッションなんかですとネットにはなじまないと言われていたんですけども、その分野ですらZOZOの登場で革命が起こっているということで、このネットショッピングの動きというのはとめられないと思うんです。そうしますと、やっぱり旧来型の百貨店のような形での商業の再生というのは、非常に難しいというふうに思わざるを得ません。 一方で、東京へ行きますと、六本木ヒルズとかミッドタウンのように、大型のデベロッパーが巨大な資本を投じて、まち一つつくっちゃうぐらいの開発が行われている例もありますけれども、これも地方都市では望めるべくもありませんので、やっぱり、一つ一つにぎわいをつくっていくと、地道な努力が必要であろうということで登場したのが、いわゆるリノベーションという新しい手法でございまして、これは一定の効果を上げているということで、私たちもリノベーションの取り組みを始めているんです。 ただ、これは一朝一夕に効果が上がるもんじゃありません。一店舗一店舗、空き店舗をいろんなアイデアで、新しい業態でありますとか、いろんな今までと違った形で再生をしていくということでありますので、時間と手間がかかります。ただそれが、一つ一つそうしたにぎわいを醸し出すようなお店がふえていけば、やがて面としての活性化につながるということで、北九州市なんかでも行われております。 そのときに一番大事なのは、やっぱりその中心となる地権者の皆さんとか商業者の皆さんがいかに主体的に動いていくかということが大事ですので、まちなかにぎわい協議会というのをつくりまして、そこと一緒に今取り組みをしているところです。やっぱり時間はかかりますけれども、地道に一つ一つ再生をしていくということが私は大事だと思っていますし、そうは申しましても、中には、例えばザザの中央館も再生に苦しんでいましたけれども、ゴールドジムのような全く物販と違う新しい業態で、今はちょっと元気になりつつありますし、飲食は結構若い人たちが頑張っていらっしゃるんで、夜はかなり人が出てにぎわいを取り戻していると思うんです。 ですから、いずれにしましても、今後もこうしたまちなかにぎわい協議会とか、あるいは商店界連盟のような、実際にそこで御商売をしている人たちとか、地権者の皆さんと一緒になって、一つ一つやっぱり店舗を開発していったりすることによって、やがて面としてのにぎわいを取り戻すと。そういう地道な努力が私は大事だというふうに思っていまして、それを今継続して取り組んでいるというところでございます。 ◆38番(関イチロー) 議長、38番。 ○議長(飯田末夫) 38番関イチロー議員。 ◆38番(関イチロー) ありがとうございました。市長の思いは承りました。 にぎわいの重要な一翼を担う行政の長たる康友市長の思いと覚悟が最も問われていますし、重要だと考えます。私も微力ですが、中心市街地のわくわく感の創出のために尽力をしたいと思っております。 ここで、少し耳ざわりな話を4点。 私の同級生が、先日こんな話をしてくれました。「関、松江市から帰ってきたら、浜松駅におりたときがっかりしたよ」と言うんです。「浜松市より人口の少ない松江の駅前のほうが風格があり、にぎわいを感じた。それに比べ、我が町の駅前のにぎわいや風景は、そこそこだけど、100メートルも離れていないところでは人や店は閑散としているもんな。これで政令市かと思ったよ」との感想でした。御存じかと思いますが、島根県の人口は68万人、松江市の人口は20万4000人。1平方キロメートル当たりの人口密度は356人、この広い浜松市でも510人います。 次に、聞かれたことがあるかもしれませんが、数年前、熊本市の商工会議所の方たちが、浜松の中心市街地の視察に来られたことがありました。出迎えた浜松商工会議所の方が「熊本市さんの町なかはあんなににぎわっていらっしゃるのに、なぜ浜松へ」とお聞きすると、「中心部に何の施策もしないとどうなるかということを見にきました」と答えられたそうです。 また、浜松の女性4人が連れ立って、ミュージカル「オペラ座の怪人」を静岡に観にいったそうです。ショッピングをして食事をして、とても楽しかったと話してくれました。さらには、ことしも浜松で生まれ育った学生さんが、卒業と同時に中心市街地の魅力を理由に他市に就職をするという話も聞きました。私は歯ぎしりをし、じくじたる思いで聞きました。 浜松の中心市街地には、わくわく感が欲しい。私たちの中心市街地は、政令市にふさわしい、歩いて楽しめる、音楽やビーチ・マリンスポーツはもちろんのこと、演劇やミュージカルなどの舞台芸術や美術、博物、ショッピングや飲食など、さまざまな市民の成熟した多様性に広く応えていく必要があると思っています。それが、ひいては浜松市民の多くの皆さんが、住んでいてよかったと思っていただける、将来のこの浜松の姿だと考えています。 次に、静岡県及び近隣市町との関係について伺います。 平成17年10月28日に、静岡県と浜松市で締結された基本協定書に、「地方自治法第252条の19第1項の規定により、政令で定める指定都市への市の平成19年4月1日の移行に必要な県と市との間の権限移譲等に関し、基本協定を締結する」と、なかなか長い文章が書かれていますが、一方、本市の施設を近隣自治体住民が利用することにより、本市市民に影響が出ています。その事実を近隣自治体は理解しているのでしょうか。また、その調整・施策には、県も含めた話し合いが必要と考え、以下4点について伺います。 報道もされ、9月議会でも質問がありました県が高校生まで拡大した医療費助成制度を両政令市とも方向性は同じとしましたが、その財源をどこが負担するのかについては課題が残ります。基本協定書の3、県単独助成事業の事業名にある「乳幼児医療費助成」がそれに当たりますが、その後、事業名は覚書によって「こども医療費助成」となりました。その文章をどのように読んでも、県の解釈には至りません。20政令市中15市が、道府県から補助を受けている現実、市民の意見や新聞などの投稿に見られる他市町と同様に県税を払っているにもかかわらず、という不公平感に私も同意をするものですが、本市の見解と今後の推移について、金原こども家庭部長に伺います。 2点目は、発達障害のある子供たちの早期発見・療育・リハビリテーションまで一貫して支援する障害福祉施策の中核的推進機関として、友愛のさと診療所、子どものこころの診療所がありますが、幼少期における早期の取りかかりが必要であるにもかかわらず、市内外の利用者を含め、待機患者数が相当いると聞いています。市内外の受診者の状況と、待機期間解消の対応について、朝月健康福祉部長に伺います。 次に、多文化共生センターにおいて、在留外国人のメンタルヘルス相談などの事業を行っており、大変評価できますが、近隣市町の住民も利用しています。前問の診療所も同様ですが、本市が設置した施設を近隣自治体の住民が利用することに理解が得られるのでしょうか。また、その実態を利用自治体は承知をしているのか。さらには、利用自治体との連携及び県の関与についても、新村医療担当部長に伺います。 4点目は、本市は政令市に移行して11年目になります。その間、さまざまな権限移譲が行われてきたわけですが、財源との関係における総括を松原財務部長に伺います。 この質問の最後は、県・政令指定都市サミット--G3は、平成18年から始まりましたが、11回目の平成28年12月以降は開催されていません。上記のような問題の共有、事務レベルでのすり合わせ・連携も含め、県・政令指定都市サミットの再開、あわせて情報・意見交換をする窓口や場の設定が必要と考えますが、内藤企画調整部長に伺います。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎こども家庭部長(金原栄行) 1点目の高校生世代まで拡大した医療費助成制度についてお答えをいたします。 本市といたしましては、今回、県が高校生世代まで拡大した医療費助成制度は、社会情勢の変化により、国において高校生の授業料免除等、高校生世代の費用負担の軽減策などの財政的支援が実施されていることから、広域行政を担う県が、同様の趣旨で主導的に御発案いただいたものと理解しております。 また、少子化対策の一環として、子育て世代の経済的負担の軽減を図るため、既存の医療費助成制度を活用した新たな施策であり、県民全体にかかわることから、本市も他市町と同様に補助対象とすべきと考えます。 先般、9月11日に本市と同様に補助対象外となっている静岡市とともに、高校生世代の医療費助成制度のあり方につきまして、県と意見交換を行い、さらに11月21日には、対象年齢の拡大について正式に協議を行ったところでございます。 今後におきましても、静岡市とともに、政令市も補助対象とするよう、県と協議を進めてまいります。 ◎健康福祉部長(朝月雅則) 次に2点目、友愛のさと診療所等の受診者と待機期間解消についてお答えをします。 平成29年度における受診者の実人数ですが、友愛のさと診療所は、市内3289人、市外849人、子どものこころの診療所は、市内2649人、市外622人となっております。 現在の新規患者の待機期間は、友愛のさと診療所は、平成29年度の5カ月から3.5カ月に、子どものこころの診療所は、3.5カ月から2.5カ月に、それぞれ短縮しております。これは、平成29年度に友愛のさと診療所の診察室を1室増設し、常勤医師及び非常勤医師を1名ずつ増員するとともに、本年度、両診療所の1日の受け入れ枠をふやしたことによるものです。 今後におきましては、本年度中に友愛のさと診療所の心理室等の増設工事を実施し、待機期間のさらなる短縮に努めてまいります。 ◎健康福祉部医療担当部長(新村隆弘) 次に3点目、在留外国人のメンタルヘルス相談事業についてお答えいたします。 この事業は、本市の在留外国人の多数を占めるブラジル人へのアンケート結果をもとに、平成22年度からブラジルの心理士資格を持つ相談員が対応する常設相談窓口を開設しているものです。対象は、本市在住外国人としておりますが、実態としては、相談開始後に他市町に移住した方なども含まれます。メンタルヘルス相談は、継続的な対応が必要なことが多いのですが、専門的な相談窓口は本市以外にはほとんどなく、移住しても引き続き本市の窓口を利用するケースがあるためです。 また、メンタルヘルスの相談は、サポートが急務と判断される場合も多く、市外の方でも必要に応じ相談を受ける例がございますが、市内在住の方の相談に支障は出ておりません。 このような利用は、他の自治体が承知しておられないのが実態ですけれども、本事業は、地域自殺対策強化事業として県から2分の1の補助を受けて実施してございます。今後、県の精神保健福祉関連会議等において事業の利用実態を伝え、県内自治体に周知するとともに、相互の連携を図る努力をしてまいります。 ◎財務部長(松原剛史) 御質問の4点目、権限移譲と移譲財源の総括についてお答えいたします。 県の事務処理特例条例による事務移譲につきましては、本市で移譲を受けるに当たり、事前に人件費を含めたコストなどを考慮の上、所管課の判断に加え、企画課や人事課、財政課で情報を共有し、最終的に県と市の協議を経て、事務の移譲を受けております。 移譲事務に対する財源につきましては、権限移譲事務交付金として、毎年度、県から相応の額を交付されております。 また、地方分権一括法などによる国や県からの権限移譲につきましても、例えば、平成29年度の県費負担教職員の権限移譲において、移譲された教職員の人件費等の所要額に対し、国庫負担金や県からの個人市民税所得割2%相当分の税源移譲で不足する一般財源につきましても、臨時財政対策債の配分割合が多いという課題はあるものの、実質的に地方交付税等でおおむね手当てされており、制度的には地方財政措置がなされているものと認識しております。 ◎企画調整部長(内藤伸二朗) 御質問の5点目、県や近隣市町との意見交換の場についてお答えをいたします。 御質問にございましたとおり、県・政令指定都市サミット--G3は、平成28年12月以降、開催されておりません。 今後のG3の開催につきましては、平成28年に指定都市都道府県調整会議が法制化されたことも踏まえ、必要に応じて、静岡県・静岡市と協議してまいります。 一方、県との課題解決に向けた事務レベルの調整については、内容に応じて関係する部局で対応するほか、重要事項の総合的な政策調整が必要となる場合には、既に設置されている静岡県・浜松市政策調整会議を活用してまいります。 また、周辺市町との調整が必要となる場合におきましても、関係部局間、関係市町間での調整を基本とし、遠州地域共通の課題については、市長・町長が一堂に会する遠州広域行政推進会議や、その担当課長会議において協議してまいります。 ◆38番(関イチロー) 議長、38番。 ○議長(飯田末夫) 38番関イチロー議員。 ◆38番(関イチロー) 表題を県及び近隣市町との関係と、多方面に質問を行った結果、5人の部長に答弁をいただきました。ありがとうございます。お礼を申し上げます。 高校生の医療費助成事業につきまして、県は合理的な理由がないとのことで、本市の申し出を拒んでいるやに聞き及びますが、この理由は、何とも意味不明で、ここは一歩も引かず、県の判断できる人の意向に期待をしたいと思います。 発達障害のある子供たちの支援をしていただいている2施設の待機期間は、市内と市外では半月ほどの差があります。また、診療室の増設、医師及び患者の受け入れ枠の増員により短縮したとはいえ、まだ待機患者が存在していることも現状です。 在留外国人のメンタルヘルス相談事業は、答弁にもあったように、異国の地にあっての安心感の一つのよりどころとなっており、大変重要な業務に精勤していただいています。しかし、受診を希望される方々を選別することがあってはならないことですが、浜松市民の貴重な税金で設立運営されているこれらの施設の、県や近隣自治体への周知、利用実態の伝達、場合によっては連携・負担についても協議する必要があるのではないかと思っています。 質問の4点目の、県からの財源移譲については、当然協議の上とはいえ、答弁にありましたように、臨時財政対策債の配分割合や、「おおむね手当てされている」との表現は気になるところで、対等に毅然と対処していただくことを要望します。私たちは、浜松市民であるのと同時に、静岡県民でもあるのですから、しっかりと協議をしていただきたいと思います。 次の質問です。 昨年5月議会の代表質問で、私は放課後児童会の運営について、委託方式へ移行する際の問題点や課題について、またいつまでに移行するのか、さらに移行後も安心して運営されるのかを質問しました。答弁は「準備が整ったところから、平成30年度以降、順次委託方式へと移行をしてまいります。移行までの間も、市と育成会が進捗状況を共有し、運営に支障がないように調整を図ってまいります」ということでした。 また、コミュニティ・スクールを小中一貫で実施することについての再質問には、「小学校と中学校の学区が必ずしも都合よく区分されておらず、小・中学校での連携がスムーズにつながっていない」との教育長の答弁でした。そこで、以下4点について伺います。 まず、本年9月議会に、にしのこ放課後児童会ほか3施設の運営業務委託費の債務負担行為が計上され、本年12月中に事業者を決定し、平成31年度から4施設が委託方式で運営されることになりますが、具体的な問題・課題と解決策について伺います。 2点目として、全市で委託方式が実施されるのはいつごろなのか、スケジュールを伺います。また、委託方式への統一が本市の課題である待機児童解消にどのようにつながるのか、以上2点を伊熊学校教育部長に伺います。 3点目は、コミュニティ・スクールが小中一貫でスムーズにつながらないとの昨年の答弁から、学習面での連携には支障がないのか伺います。また、小中一貫でのコミュニティ・スクールが可能な中学校区は何校あるのでしょうか。さらに、今後の推進方針についても伺います。 4点目として、コミュニティ・スクール事業を今後全市に展開をしていくと理解していますが、完了時期はいつごろで、予算総額は幾らになるのか伺います。3点目と4点目については、花井教育長に伺います。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎学校教育部長(伊熊規行) 1点目、委託方式への移行にかかわる問題・課題と解決策についてお答えいたします。 浜松市の放課後児童会の運営方式については、補助方式の放課後児童会の運営を民間事業者への業務委託による運営に移行するように進めているところです。 当初、平成30年度以降、順次委託方式へ移行することを目指して準備を進めてまいりましたが、実施可能な事業者がありませんでした。このため、本年2月にサウンディング型市場調査を実施し、公募により参加した事業者と委託条件等を整理するために対話を行ったところ、事業者からは、支援員の確保のために、現在の支援員を継続して雇用したいなどの希望がありました。 こうした委託化への課題に対応するため、来年度実施する運営委託化モデル事業の検証を行いながら解決策を探り、安定的な運営体制につながる制度設計をしてまいります。 次に、2点目の全市での委託方式による実施スケジュール及び待機児童解消とのつながりについてお答えいたします。 モデル事業の検証を踏まえ、来年度中に実態に即した移行計画を策定し、委託方式への統一に向けた準備を進めてまいります。 また、待機児童解消のための定員拡大には、開設場所とともに支援員の確保が必要であることから、委託化により新たに支援員を確保することが、待機児童解消につながるものと考えております。 ◎教育長(花井和徳) 3点目の、小中一貫で進めるコミュニティ・スクールの推進方針についてお答えいたします。 本市には、現在、1つの小学校から2つの中学校に分かれて進学する学校が6校ございます。これらの学区における学習面での連携は、小中の連続性を意識した合同研修会を開催しており、支障はないと考えております。 次に、小中一貫でのコミュニティ・スクールが可能な中学校区につきましては、先ほど申し上げた学区の問題などがございますが、コミュニティ・スクールは、原則学校単位で協議会を設置するものであることから、全ての学区において、小中一貫で導入することは可能であると考えております。 今後の小中一貫の推進方針につきましては、小中9年間の連続性を意識することは重要なことと認識しており、平成32年度の本格導入時には、コミュニティ・スクール・ディレクターなどの機能を拡充し、学区内の他のディレクターや教職員との情報交換も業務に含めることで、小中の連携を密にしていくことを検討しております。 次に4点目、コミュニティ・スクールの完了時期と予算についてお答えいたします。 本市では、平成32年度を初年度として、準備が整った学校から、順次、法律に基づくコミュニティ・スクールを導入し、平成34年度に予定されている地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正の動向などを踏まえ、完了時期を決定してまいります。また、予算につきましては、現在、平成32年度以降の制度設計と並行して検討しているところです。 本年度、協議会委員の謝金など、コミュニティ・スクールの運営にかかわる予算を当初の段階で975万円計上しております。 今後は、平成32年度以降の本格実施に向け、各学校の運営方針が実現できる予算の確保に努め、持続可能な制度となるよう検討してまいります。 ◆38番(関イチロー) 議長、38番。 ○議長(飯田末夫) 38番関イチロー議員。 ◆38番(関イチロー) 花井教育長、伊熊学校教育部長、ありがとうございました。 放課後児童会については、これほどの規模で、またそれぞれの事情ある現場を、さらには、現在実施されているばらつきのある委託方式との整合性にも配慮しなければなりません。全市統一の放課後児童会の委託方式化には、大きな困難が伴うことは重々承知していますが、補助方式での問題点が露呈した状態を危惧しているのは、現場の支援員、補助員、その運営に携わっていただいている地元自治会役員などで構成された育成会の現場の方々です。 今後は、モデル事業を検証の上、制度設計を早急に進め、待機児童解消も含め、後顧の憂いなく、現場が安心・安全に運営できる体制を一日も早く構築・実施していただくことを強く求めます。 昨日は、地域防災の日でした。私の住む地域内3カ所を見せていただきましたが、殊のほか生徒さんの参加が多く、わけを自治会の方にお聞きしますと、自治会から学校へ申し入れをし、訓練のため、当日の部活動を見合わせてもらったとのことで、いつもより訓練会場ははつらつとし、活気があるように見受けられました。これもコミュニティ・スクール指定校になって3年目の効果の一環かと感じました。コミュニティ・スクールについては、平成34年度の法改正の動向などを踏まえてとのことですが、改正されたときには、本市はかなりの部分の準備が進んでいたという状況が望ましいと感じています。 4番目の質問です。 本市の中央卸売市場は、8市1町の140万人弱を対象に、生鮮食料品を供給していますが、近年、市場を取り巻く環境は、急速に、そして大きく変化し、厳しさも増しています。食の安全・安心と安定供給を担う役割は非常に重要であることに鑑み、以下4点伺います。 まず、市場関係者間における人件費や使用料、協力金などの現状について伺います。 2点目として、市場における現状の課題・問題点について伺います。 3点目は、平成23年度から市場管理棟事務所に常駐していた保健所職員を廃止、派遣とし、緊急時には保健所に連絡をする態勢に移行し、現在に至っています。保健所職員の常駐化について伺います。 4点目として、本年、卸売市場法が改正されました。その趣旨と影響について伺います。 市場についての最後の質問は、今後の市場の施設・システム整備も含めた方向性及び被災時対応について伺います。 質問の3点目は、西原保健所長に、他の4点については、山下農林水産担当部長に伺います。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎産業部農林水産担当部長(山下文彦) まず1点目、市場関係者間における人件費や使用料などの現状についてお答えいたします。 中央卸売市場は、特別会計により運営されております。特別会計は、原則としてその歳入をもって歳出に充てることになっているため、職員の人件費を含めた経費は、特別会計の運営費から支出しております。 市場の使用料については、農林水産省の使用料算定基準に基づき、平成29年度は、面積割使用料として約3億2000万円、売上高使用料として約1億3000万円となっております。 次に、協力金についてお答えいたします。市場協力会は、市場関係者により組織する団体であり、主な目的として共用部分の管理や福利厚生事業のほか、市場施設からの廃棄物処理に関する事務などを行っております。 御質問の協力金については、その経費として、市場関係者の合意により負担割合を決め、応分の負担をしていただいております。 続きまして、2点目の課題と問題点についてお答えいたします。 全国的に、物流の変化等による市場経由率の低下、そして人口減少や少子・高齢化等による消費量の低下を受け、市場取り扱い量が減少しております。当市場においても、取り扱い量、取り扱い金額とも減少傾向にあります。これを改善するため、将来を見越した明確なビジョンのもと、市場の競争力や市場関係者の経営力を高めるための、積極的、戦略的な経営改善が必要であると考えております。 ◎健康福祉部保健所長(西原信彦) 次に、3点目の保健所職員の常駐化についてお答えします。 中央卸売市場は、従前から、浜松市の食の重要拠点であると考え、営業者の衛生管理状況を把握するために、定期的な監視や流通品の一部収去検査を実施してきました。これまでの指導により、営業者の自主衛生管理が向上しており、また定期的な監視や収去検査は継続し、さらに生活衛生課内に、関係者からの相談を随時受けられるような体制も構築しておりますので、現在は保健所職員の常駐はしておりません。また、今後も現状を継続してまいります。 また、本年6月に食品衛生法が改正され、危害発生を工程管理により防止する、HACCPに沿った衛生管理が全食品事業者に義務化されましたので、市場内業者を対象としたHACCPに関する研修会を開催したり、監視の折には、HACCPに関する啓発を行うなど、中央卸売市場や関係業者との連携を強化することにより、安全・安心な食品の供給ができるよう、食品衛生の向上に努めてまいります。 ◎産業部農林水産担当部長(山下文彦) 次に4点目、卸売市場法改正の趣旨と影響についてお答えいたします。 卸売市場法の改正は、卸売市場を含めた食品流通の合理化と、生鮮食料品等の公正な取引環境の確保により、生産者の所得向上と消費者ニーズへの的確な対応を図ることを目的にしております。 主な改正点は、開設主体が民間にも開放されたこと、法で規制されていた卸売業者の第三者への販売禁止や仲卸業者の卸売会社以外からの直接集荷する行為の禁止等の規制が撤廃され、市場ごとに取引ルールを定めることが可能となったことです。取引ルールの改正は、自由度の増した取引や、消費者ニーズに合った柔軟な事業展開につながり、卸売市場の活性化が期待できるものと考えます。新たな取引ルールによる取引環境の変化は、卸売業者や仲卸業者の経営方針や商取引にも影響があるため、取引ルールの改正については、市場関係者と十分協議をして進めてまいります。 続きまして、5点目の今後の方向性と被災時対応についてお答えいたします。 当市場は、開設から40年が経過し、施設の老朽化のため、改修が課題となっております。このため、市場のあり方研究会や経営展望策定委員会、再整備基礎調査を通じて、施設整備について検討を行ってまいりました。 その結果として、施設は現時点では十分使用可能なため、長寿命化を図り、15年から20年程度先を見越して、建てかえも含め、必要な機能や施設規模などを検討することとしました。整備工事は、災害対応も含め、巨額の費用を要し、影響が大きいことから、民間活力の導入も踏まえて、市場関係者と協議し検討していきたいと考えています。 また被災時対応といたしましては、冷蔵設備を含め、市場機能の低下を起こさないよう、市場関係者との協議のもと、施設の再整備とあわせて検討してまいります。 ◆38番(関イチロー) 議長、38番。 ○議長(飯田末夫) 38番関イチロー議員。 ◆38番(関イチロー) 山下担当部長、保健所長、答弁ありがとうございました。 質問の1点目と2点目については、今後詰めなければいけない案件だと思っています。 3点目については、現状で問題はないとの認識のようで、有毒魚の入荷状況は極めて低いと考えられていますが、同一魚であっても、漁獲した場所によって扱ってはいけない魚があったり、アニサキス、ノロウイルスなどの細菌類、残留農薬などの問題も残ります。相談を随時受けられる体制を構築しているとのことは、電話回線の存在を指すようですが、現場におられる方々の不安は拭えておらず、中には、「10数年前だったらいざ知らず、何が起きるかわからない時代にあって、場合によっては自前で用意しなければいけないのかな」と言われる方もいらっしゃいます。その不安感を十分に詰めていただきたいと思います。 法改正も含め、市場の今後については大きな転換点にあります。今議会終了後、静岡、八戸、函館の中央卸売市場及び地方卸売市場を会派で視察する予定で、見聞を広めたいと思っています。 市場内にあっては、競る場であり、業者間のさまざまな利害関係もあるかと思いますが、中央卸売市場の一番の大義は、食の安全・安心と安定供給です。ひとたび安全性に疑問が生じれば、ささいなことであっても、開設者の責任が問われます。そのことを肝に銘じ、業者・市場一体となった相互の信頼関係を構築していただくことを切に要望します。 最後の質問項目です。 佐鳴湖の環境向上について、久しぶりに質問をします。 まず、水質について、平成13年から平成18年までの6年間連続で、全国の湖沼における水質調査結果で、COD、--化学的酸素要求量の年平均値がワースト1位であったことも十年一昔、随分と向上してきているとはいえ、佐鳴湖が置かれている状況を考えますと、予断は許されません。そこで、佐鳴湖の環境向上について伺います。 まず1点目、水環境について。 アとして、水質と面源負荷において大きな要因となっています、航空自衛隊浜松基地の雨水処理の現状について伺います。 イとして、今後の水質浄化の見通しと、雨水浸透ます設置促進策について伺います。 次に、佐鳴湖公園の環境について。 アとして、佐鳴湖の一周園路が完成したのは平成17年で、来園者に大変喜ばれたものでしたが、しかし、13年が経過し、当初から懸案であった数カ所の狭隘園路が手つかずで、いまだに懸案事項となっています。今後の展望について伺うとともに、公園の小薮地区の未利用地の利用についても伺います。 イとして、ふれあい橋東岸の活用に関する民間提案、プレーパークなどについて伺います。 ウとして、平成28年2月に公募した更衣・シャワー室、飲食スペース設置提案は不調に終わりましたが、市民からの期待や要望を多く耳にします。今後の設置提案について伺います。よろしくお願いします。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎環境部長(影山伸枝) 1点目の1つ目、水質などの現状についてお答えいたします。 佐鳴湖の水質は、平成27年度に策定した佐鳴湖水環境向上行動計画に基づき、流域一体となって取り組みを進めた結果、近年では汚れを示す指標であるCODが、当面の目標値である8ミリグラムパーリットルをおおむね安定してクリアするレベルにまで改善してまいりました。しかしながら、長期目標である環境基準の達成には至っておりません。なお、佐鳴湖の上流に位置する航空自衛隊浜松基地内の雨水は、その8割が、段子川、権現谷川、新川、東神田川を経て佐鳴湖に流入していることを確認しております。 次に、2つ目の今後の水質浄化の見通しと浸透ます促進策につきましては、当面は現状の水質レベルを安定的に維持することが必要であり、そのためには湧水量をふやすこれまでの施策を継続していくことが重要であると考えております。 施策の一つであります雨水浸透ます設置補助事業は、平成18年度から開始し、これまでに1005基を設置してまいりました。湧水量の増加は、降雨による影響が大きいため、設置の効果を短期的に評価することは難しいと考えております。しかし、数十年といった長期間、事業を継続することで、確実な水量増加につながるものであります。設置を促進するためには、上流域住民の方々の御協力が必要であることから、設置者が佐鳴湖浄化に貢献していることを実感できる表示ステッカーなどを作成し、協力者をさらにふやしていきたいと考えております。 今後も、県や地域住民と連携し、雨水浸透ます設置補助事業を含むさまざまな浄化対策に取り組み、佐鳴湖の水環境の向上に努めてまいります。 ◎都市整備部花みどり担当部長(伊藤哲) 2点目、佐鳴湖公園についてお答えをいたします。 まず1つ目の、狭隘園路と小薮地区の未利用地の活用についてでございますが、佐鳴湖公園の園路の一部には、すれ違いが困難な狭い箇所があり、利用者から改善要望が寄せられております。この区間はもともと、湖沿いに県が建設する予定の築堤の上部を市が公園として占用し、園路を整備していく計画ですが、築堤本体の整備が途中であるため、点在する公有地や民有地を借地してつなぎ、暫定的に使用しているものです。現在、県による築堤の整備時期が未定であるため、本市では、隣接する地権者や湖の管理者である県と調整を図り、可能な限り園路の幅の確保を検討してまいります。 小薮地区には、公園整備の強い要望を受け、市が確保した約3800平方メートルの公園予定地があります。この公園予定地を使い、湖岸沿いの暫定園路へ抜ける道の確保や、救急車等の緊急車両が暫定園路へ近づけるようにしてほしいといった声が寄せられています。本市といたしましては、この公園予定地を本格整備するまでの間、暫定的な利活用を図ることができるよう、地域との調整、検討を進めてまいります。 次に、2つ目のプレーパークなどの民間提案についてでございますが、佐鳴湖公園段子川左岸地区では、市民からプレーパークの提案がありました。プレーパークとは、公園の一角を使い、禁止事項をできる限り減らし、自分の責任で自由に遊ぶことをモットーとした冒険遊び場のことです。先進都市では、地域住民やボランティアで自主運営しているものが多く、遊び方によっては大きな事故につながる可能性があることから、地域住民や団体がプレーリーダーと呼ばれる大人を置いています。 実現に向けた主な課題として、誰もが自由に利用できる公園の一部を常時占有することになるため、地域住民や他の公園利用者の理解が必要であること、遊びを見守るプレーリーダー等、大人の協力者を確保することの2点が挙げられます。課題解決に向けては、一時的なイベント等で徐々に実績を蓄積していく必要がありますので、公園の利活用方法の一つとして、主催する市民団体側の提案や申し出をいただき、協議を進めてまいります。 次に、3つ目の更衣・シャワー室、飲食スペース設置提案についてお答えをします。 御質問にありましたとおり、本市では平成28年2月に、軽飲食施設を併設したランナー向けの施設、いわゆるランニングステーションの公募を行いましたが、事業者の応募には至りませんでした。事業者のヒアリングによると、投資に見合う収益確保が難しい、都市公園法に定める10年の許可期間では採算がとれない、公園駐車場が常時混雑しており駐車場が足りないといったことが主な要因でした。 今後の実現に向けた課題としては、一定の収益確保と駐車場の混雑解消などが挙げられます。静岡市や沼津市では、同様の施設を市が都心部の公園内、または公園の隣接地に設置し、運営費の大半を公費で賄っている事例も見られます。 本市では、現在のところ、狭い園路の解消や不足する駐車場への対応など、佐鳴湖公園が抱える課題の解決を優先していることから、本施設はあくまでも民設民営を原則としますが、今後も利用者の声や企業の参入意欲などを聞き取るとともに、法改正を受けた新たな公民連携の事例を収集し、実現に向けた方法を検討してまいります。 ◆38番(関イチロー) 議長、38番。 ○議長(飯田末夫) 38番関イチロー議員。 ◆38番(関イチロー) 環境部長、花みどり担当部長、答弁ありがとうございました。 視察などでさまざまな都市に行っていますが、都心からこれだけ近くにある湖は、釧路市の春採湖を除いて私は知りません。住宅地に囲まれた春採湖も佐鳴湖と同様に水環境には苦慮していますが、水辺と近い親水性には我がほうに優位性があり、市民の皆様の関心が高いのはそのせいもあろうと思っています。水環境も含め、市民の皆様の癒やしの、また健康増進のオアシスの場である公園利用についても、具現化に向けた取り組みを切望し、私の一切の質問を締めさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(飯田末夫) 次に、2番渡邊眞弓議員。(拍手) ◆2番(渡邊眞弓) 皆さん、こんにちは。日本共産党浜松市議団の渡邊眞弓です。通告に従いまして、一般質問を行います。 最初に1番目、教育行政について、花井教育長、伊熊学校教育部長にそれぞれ質問をいたします。 1点目は、学校給食の地産地消の一層の取り組みについてです。 2015年に食育基本法が改正され、文部科学省でも食育の生きた教材となる学校給食の充実に向けて、地場産物の使用や米飯給食を進めていくとしております。 また、本市においては、保護者が払う学校給食費が、昨年から一気に11.3%も大幅値上げされましたが、1年目の総括で教育委員会は、地場産物の食材使用率が2.6%アップし31%になった。引き続き目標である35%を目指すとしております。そこで、以下3点について見解を伺います。 アとして、食育の観点から、地場産物使用における児童・生徒及び保護者への食育効果について。 イとして、過去7年間の地場産物の使用率は、平成25年の32%をピークに減少傾向にあったが、値上げをした昨年は31%にふえたということですが、そこで、浜松産主要10品目の選定理由、35%目標の根拠、食材の調達方法について伺います。 ウとして、35%達成のための今後の課題と取り組みについて伺います。 次に2点目として、学校給食費の一部補助についてです。 市は、学校給食費について、学校給食法では食材は保護者が負担としていること、給食費の一部補助や無償化については、市に多額の財政負担が生じることから、今後も学校給食法に従い、現状どおり徴収していくとしておりますが、当時の文部省自体が「給食費の一部を補助するような場合を禁止する意図ではない」という通知を出しております。この見解について伺います。 また、ことし7月に文科省が行った全国調査では、無償化実施は82自治体、一部無償化、一部補助実施424自治体と合わせると506自治体になり、全自治体の約3割とふえております。鈴木市長も、子育てに要する費用負担の軽減に取り組むと掲げているわけですが、学校給食費の保護者負担を軽減し、当面第2子以降は半額にするなど、給食費の一部補助実施に対する考えはないか伺います。 3点目として、経費節減の名のもとに推し進めてきた学校給食の民間委託化についてです。 アとして、市内小・中学校144校のうち、委託校数と直営方式からの変更に伴う削減額について伺います。また委託費は全国的にも上昇していると聞きますが、本市ではどうでしょうか。 イとして、給食員の退職者補充に当たっては、確かな技術継承と、子供たちに安全・安心な給食を提供するためにも、正規職員の採用こそ必要と考えますが、この点についてどうか。 ウとして、西区4校で起きた民間委託契約解除による児童・生徒への被害は、民間委託を続ける限り、いつ起きてもおかしくありません。今後いつまで委託を続けるのか伺います。 次に4点目として、避難所となる学校給食の自校直営校の役割と重要性についてです。 阪神・淡路大震災では、避難者の多くが学校等に避難してきたことを踏まえ、文部科学省は、平成7年11月に学校等の防災体制の充実について(第1次報告)を発しました。その中では、学校が防災体制の整備に取り組む際の参考とするべき幾つかの視点が示されており、学校給食施設については、児童のみならず、一般の被災者に対する非常炊き出し施設として活用されることを踏まえ、備蓄用食品貯蔵施設等、必要な機能の整備が求められています。その後、宇治市や広島市でも、災害時に正規給食員が学校給食調理場を活用して、炊き出し等の対応が迅速な被災者支援につながることとなり、自校直営での学校給食の重要性が浮き彫りになっております。そこで、以下2点について伺います。 アとして、本市の学校給食施設の避難所開設時における利活用をどのように考えているのか。 イとして、避難所開設時における自校直営校の役割と重要性についてどう考えるのか伺います。 最後5点目として、小・中学校へのエアコン設置における地元業者への分離・分割発注について、伊熊学校教育部長に質問をいたします。 普通教室へのエアコンの設置は、2020年8月までを目途に、127校、2023教室に設置をする方針が示されました。11月補正予算で、臨時特例交付金を活用し、前倒しをして従来方式で45校、695教室、24億6000万円を選定しております。2019年度以降におけるエアコン設置には、設計・施工・工事監理・維持管理を包括的に民間企業に委ねるPFI方式を導入する可能性を調査・検討しているとのことでありますが、「PFI方式では地域経済の振興につながらない。地元業者に分離・分割発注で」と、地元業者からも声が上がっております。PFI方式の導入をどのように調査・検討していくのか、また地元業者の声をどう受けとめていくのか伺います。 以上、最初の質問を終わります。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎教育長(花井和徳) それでは、第2番日本共産党浜松市議団渡邊眞弓議員の御質問にお答えいたします。 1点目、学校給食の地産地消の一層の取り組みについての1つ目、地場産物使用における児童・生徒及び保護者への食育効果についてですが、給食の中で地場産物を使用することは、食育の観点から大きな効果があると考えております。実際に給食で食べた地場産物を昼の放送や校内の掲示などで詳しく紹介したり、栄養士が生産者の思いなどを取材し、子供たちへ伝えたりすることで、生産者の顔が見えるような工夫をしている学校もあります。 給食で地場産物を使用することは、地域の食や農への理解を深め、生産者に対する感謝の気持ちを育むことに大きく貢献していると認識しております。また、保護者へは学校だよりなどを通して、給食で使用している地場産物を紹介したり、レシピを掲載したりするなど、地産地消への理解を深めていただくよう取り組んでおります。 次に、2つ目の浜松産主要10品目の選定理由等についてでございますが、まず、第3次浜松市食育推進計画に掲げている浜松産主要10品目の選定につきましては、浜松の主要農産物・水産物の中から、給食で使用する頻度が高い物から10品目を選定いたしました。 次に、使用率35%目標の根拠についてですが、検討した平成28年当時の現状値28.4%をもとに、過去に使用率32%を達成したことや、昨年度に給食費を改定したことを踏まえ、毎年度1%程度の上昇を想定して設定したものです。 そして、食材の調達方法につきましては、栄養士が献立を作成する段階から、できる限り浜松産を指定して発注しております。特にジャガイモやセロリ等、浜松産の食材が多くとれる旬の時期には、可能な限り浜松産を使用するよう努めております。 次に、3つ目の35%達成のための今後の課題と取り組みについてですが、課題としては、最大約6万3000食という児童・生徒の給食需要を満たすためには、市場に出回る浜松産の食材だけでは賄い切れないという現状があります。また、他の産地よりもブランド化した浜松産の食材のほうが高値であることも、限られた給食費の中で地産地消に取り組む上での課題となっております。 今後も、これらの課題を踏まえ、35%の目標達成に向けて、地場産物を活用した新たな献立を開発したり、旬の時期以外には地場産物の加工品を使用したりするなど、さまざまな工夫により、地産地消の推進に努めてまいります。 次に、2点目の学校給食費の一部補助についてお答えいたします。 昭和29年の文部事務次官通達では「保護者の経済的負担の現状からみて、地方公共団体、学校法人、その他の者が児童の給食費の一部を補助するような場合を禁止する意図ではない」としております。この通達は、同年、学校給食法が制定され、学校給食の普及を図るという当時の時代背景から通知されたものと認識しております。 本市においては、学校給食法第11条第2項に基づき、食材に係る経費の全額を保護者負担としておりますが、給食費を納めることが経済的に難しい家庭に対しては、生活保護及び就学援助制度により、公費で給食費の全額を補助しております。 また、近年、学校給食費の無償化、または一部補助をしている自治体がふえていることも承知しております。昨年度の文部科学省の調査では、小・中学校とも給食費無償化を実施した自治体は、ほとんどが小規模な自治体であり、該当児童・生徒数も全国の約0.7%と低い数値となっております。また政令市においては、一部補助も含めて学校給食費の無償化を実施している自治体はありません。 本市の場合では、御提案の第2子以降の半額補助であっても、大きな財政負担となることから、学校給食法に基づく保護者負担とし、生活困窮家庭には、生活保護及び就学援助の制度による補助を継続してまいります。 次に、3点目の学校給食の民間委託化についてお答えいたします。 まず、1つ目の委託校数と削減額、委託費の上昇についてですが、現在の委託校数は、5つの給食センターの受配校等も含め、小・中学校144校中103校で、約72%になります。平成18年度以降、13年間で、小学校41校、中学校19校、給食センター4施設を民間委託化し、削減額につきましては、累計で約84億円の財政効果があったと試算しております。また委託費が全国的に上昇していることについては、本市でも最低賃金の改定などにより上昇傾向にありますが、本年度の委託においては、単年度で約2600万円の財政効果があると試算しております。 次に、2つ目の正規職員の採用と、3つ目の今後の民間委託化につきましては、関連がございますので、一括してお答えいたします。 子供たちに安全・安心な学校給食を提供することは、直営・委託にかかわらず、大変重要なことであると考えております。現在、本市におきましては、民間活力の導入に関する基本方針に基づき、計画的に学校給食の民間委託化を進めております。また、平成28年度から5年間の計画期間で実施している定員適正化計画において、給食員の退職者を不補充とし、職員を削減していく計画となっております。しかしながら、民間委託化を推進していく中で、委託業者による受注問題や雇用情勢などの課題があると認識しております。 今後につきましては、現行の定員適正化計画が終了するまでに、委託化における費用対効果、雇用情勢等による事業の安全性や継続性など、総合的に勘案した上で手法を検討し、本市に適した学校給食のあり方について調査研究してまいります。 次に、4点目の避難所となる学校給食の自校直営校の役割と重要性についてお答えいたします。 1つ目の学校給食施設の避難所開設時の利活用についてですが、学校給食施設を避難所開設時に活用することを想定した場合、幾つかの前提条件が整うことが必要となります。その条件としては、学校給食施設に被害がないこと、衛生面を確保できること、大量調理用機器を扱うことができる知識と技術を持った給食員が確保できること、そして調理用の食材が確保できることなどが挙げられます。また何よりも、電気、ガス、水道のライフラインが全て復旧していることが求められます。 学校現場では、ライフラインが復旧していれば、通常は学校が再開しているか、または学校職員全員で教育活動の早期正常化に向けて取り組む段階であり、その場合、給食員についても学校災害対策本部体制に基づいた対応を行うこととなります。これらのさまざまな条件に合致した上で、学校給食施設の活用が学校再開に影響がないと総合的に判断される場合に限り、学校給食施設の利活用が可能であると考えております。 次に、2つ目の避難所開設時における自校直営校の役割とその重要性についてですが、本市の避難所となっている学校141校中、学校給食施設がある自校方式の学校は99校、そのうち給食員が配置されている自校直営校は39校です。避難所が自校直営校の場合は、さきに述べた条件に合致すれば、給食員が配置されていることから、避難所における食料支援に当たっては、給食員が対応し、学校給食施設を活用することができます。 一方で、他自治体においては、協定や契約を締結することにより、災害時に被災者支援として委託業者が対応するとしている事例もあります。 現在、避難所の運営において、炊き出しに家庭科室や給湯室の活用は想定されておりますが、学校給食施設の活用は明確には位置づけられておりません。 今後は、自校直営校のみならず、給食委託校や市内5カ所にある学校給食センターも含めた学校給食施設を、避難所における食料支援にどのように位置づけていくのかについて、その必要性もあわせて検討してまいります。 ◎学校教育部長(伊熊規行) 5点目、小・中学校へのエアコン設置における地元業者への分離・分割発注についてお答えいたします。 本年実施したPFI導入可能性調査では、整備手法等、あらゆる観点から比較検討を行い、地元業者への聞き取り調査も行いました。調査結果を踏まえ、庁内関係部署と協議を行い、来年1月末予定の実施方針公表に向け、最終調整を行っているところです。エアコン整備をPFI方式で整備する場合、提案を審査し、事業者を選定します。選定に当たっては、地域経済活性化への貢献度に配点を高く設定するなどの工夫により、地元業者の参入が可能になると考えています。 また、PFI方式では、設置後の維持管理業務を含んでおり、通常の保守点検だけでなく、故障発生時における迅速な対応が求められますので、その対応が可能な地元業者の参入の必要性は非常に高くなると考えられます。 今後は、可能な限り地元業者が参入できるよう考慮しながら事業を進めてまいります。 ◆2番(渡邊眞弓) 議長、2番。 ○議長(飯田末夫) 2番渡邊眞弓議員。 ◆2番(渡邊眞弓) それでは、教育行政について4点、再質問をいたします。 1点目は、地産地消35%達成のための課題と取り組みとして、地場産物を活用した新たな献立の開発や、旬の時期以外の加工品を使うことなどが挙げられましたが、現在の食材調達方式では不十分ではないかと考えます。給食は生きた教材と言われていますように、学校における食育推進のためには、地場産物を知り、作物や生産者への感謝の気持ちを育む取り組みが大事であります。そのためには、直接生産者と物流できる仕組みを栄養士、あるいは栄養教諭や、物資調達委員会などが中心となって、庁内の農業水産課や健康増進課などと連携をし、例えばモデル校として一部の学校からでも始めていくことが求められているのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ちなみに、本市における農業振興基本計画にも、施策の展開として「地産地消の学校給食等への利用拡大」と掲げてあります。ぜひ連携をとっていただきたいと思います。 2点目は、学校給食の一部補助についてです。 学校給食は、子供の食のセーフティーネットの役割も果たしております。私の提案の第2子以降は半額にすると、予算はどのくらい必要と見ているのか、金額をお願いします。 3点目は、学校給食の民間委託化についてですが、先ほどの答弁では、民間委託化を推進していく中で、委託業者による受注問題や雇用情勢などの課題がある、この認識が示されたんですが、これは、これまでの委託優先の考えから、少し方向転換も期待できるのではないかと捉えました。そのことも踏まえ、私の質問で、確かな技術継承のための正規職員採用についての考えと、いつまで民間委託をやるのか、この点についての明言がありませんでした。再度の答弁と、平成32年度以降は民営化しないという選択肢も含めた調査研究と捉えていいのか伺います。 4点目です。小・中学校へのエアコン設置における地元業者への分離・分割発注についてですが、PFI可能性調査では、地元業者からの聞き取り調査もされたとの答弁でありましたが、具体的にその内容について伺います。例えば、調査に参加した業者数や、聞き取りの調査方法、意見・要望、PFI手法等についてお願いをいたします。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎教育長(花井和徳) それでは、渡邊眞弓議員の再質問にお答えいたします。 学校給食に関連して大きく3点、御質問をいただいたかと思います。 1点目は、直接生産者と物流の関係で、農業水産課や健康増進課などと連携して、モデル校として一部の学校からでも始めていくことが求められるのではないかという御質問でございました。 これにつきましては、学校給食における地産地消の推進に向けまして、例えば、他の自治体の取り組みなどについても調査研究をいたしまして、農業水産課や健康増進課等の関連各課と連携をするとともに、本市としてどのようにすれば、より一層の地産地消の取り組みができるのか検討してまいりたいと考えております。 それから2点目は、第2子以降を半額にした場合の予算がどの程度必要になるのかという御質問でございました。 今回、御質問いただきましたので、これは数校抽出をして、調査をして行いましたが、その結果、市全体では年間5億円程度の負担になるというふうに見込んでおります。 それから3点目は、民間の委託化につきまして、確かな技術継承のための正規職員の採用についての考え、いつまでにやるのかという明言がなかったけれども、平成32年度以降は民間委託をしないという選択肢も含めた調査研究と捉えていいのかという御質問でございましたが、これは、先ほど少し答弁でも触れましたが、委託化におきます費用対効果や雇用情勢等による事業の安全性や継続性など、総合的に勘案いたしまして、最適な手法を検討していきたいというふうに考えております。その上で選択肢を見出しまして、現行の定員適正化計画が終了するまでに、今後の正規職員の採用と民間委託の継続について、適切に判断してまいります。 ◎学校教育部長(伊熊規行) それでは、渡邊眞弓議員の再質問にお答えいたします。 導入可能性調査の中で実施しました地元業者への具体的な聞き取り内容ということになると思いますが、関連する業者や業界団体等の計12社、1団体を直接訪問という形で訪問しまして、PFI事業への参画意向ですとか、PFIによる整備手法等についてヒアリングを行いました。 事業者からは、評価基準を設定する際には、市内事業者の参加割合について評価をしてほしいですとか、また長期の休みだけではなく、平日や土曜、日曜での施工が可能となるように検討してもらいたいですとか、あと今回のPFI事業にはぜひ参加したいなどの意見と要望がございました。 ◆2番(渡邊眞弓) 議長、2番。 ○議長(飯田末夫) 2番渡邊眞弓議員。 ◆2番(渡邊眞弓) それでは、意見・要望を申し上げます。 避難所となる学校給食施設についてですが、いろいろな条件に合致をすれば利活用が可能であると判断をされたことは、大きな前進だと思います。しかし、今の段階では、それがかなうのも、正規の給食員が配置をされている自校直営の39校だけです。災害時においても自校直営校がいかに必要かということが浮き彫りです。民間委託業者との協定や契約を締結している事例もあるとのことですが、その役目が本当に果たせるのか、甚だ疑問です。 エアコン設置に関してですが、PFI方式でやることのメリットも挙げられますが、全国にはPFIを巡る問題事例もたくさんあります。短期間で、かつ地域経済の循環につながる方針が出ることを期待しております。 先日の北島議員の代表質問資料で、浜松市水道事業へのコンセッション導入関連資料が、ごらんになったようにプロポーザルでの提案者の名前や企画提案項目に対する点数が、全て黒塗りになっておりました。これでは入札が適正だったのか不透明であり、行政への不信感を招いております。本事業をPFIでやる場合においては、不信感を招かないように、公明正大にやるべきことを意見として申し上げておきます。 以上で教育関係は終わります。 続いて2番目、保育所の待機児童解消と保育士の処遇改善について、金原こども家庭部長に質問をいたします。 1点目、今年度保育所の待機児童数は、10年ぶりに100人を割り、97人となったとはいえ、潜在的な待機児童は491人で、年度末ころには1000人を超えると想定をしておられますが、今後の待機児童解消策を伺います。とりわけ、ゼロ歳から2歳児対策、そして企業主導型保育事業についての考えを伺います。 2点目は、保育人材の確保には、処遇改善・給与の引き上げ・職員増が不可欠でありますが、現場の実態や声をどのように受けとめ改善をしてきたのか。また、今後の取り組みや課題について伺います。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎こども家庭部長(金原栄行) 御質問、2番目の1点目の今後の待機児童対策についてお答えをいたします。 本市の待機児童数は、本年4月時点で97人となり、昨年度の168人から71人減少となりましたが、昨今の働き方改革や就労形態の多様化などへの対応と、年間を通じた待機児童の解消に向けましては、さらなる受け皿の整備が必要な状況であると捉えております。 このため、今後も保育所等の施設整備を進めることに加え、特に待機児童の多いゼロ歳児から2歳児までの対策といたしまして、小規模保育、事業所内保育事業や、私立幼稚園における2歳児の定期的な預かり事業の実施園の拡充を図るなど、保育の受け皿確保に努めてまいります。 また、国が推進いたします企業主導型保育事業所が、本年11月時点で市内に25カ所と設置が進んでいます。これらの中には、一般の方でも入所可能な地域枠を設定する園もあることから、待機児童解消の一翼を担う施設として期待しているところでございます。 このため、他の保育施設と同様に、立入調査を定期的に実施することなどを通じまして、保育の質の確保に努めているところでございます。 次に2点目、保育人材確保についてお答えをいたします。 本市では、保育士確保・処遇改善の取り組みとして、予備保育士雇上事業及び産休等代替職員雇上事業を実施することに加えまして、保育士修学資金等貸付事業や、潜在保育士向けの再就職支援研修会を実施しております。 また、今年度は、保育士宿舎借り上げ支援事業や、在園児下の子の優先利用支援事業を創設するとともに、来年4月からの保育所等入所選考におきましては、利用調整基準点の加点の範囲を従来の保育士、または幼稚園教諭から、保育施設に勤務する調理員や園務員等まで拡大をいたしました。 近年の保育需要の高まりと保育施設の増加に伴う保育士確保は、本市におきましても喫緊の課題であることから、今後も現場の実情や御意見を伺う中で、これらの取り組みを継続し、国の動向を注視しながら、これまで同様、保育士確保・処遇改善に努めてまいりたいと思います。 ◆2番(渡邊眞弓) 議長、2番。 ○議長(飯田末夫) 2番渡邊眞弓議員。 ◆2番(渡邊眞弓) それでは、再質問をいたします。 厚生労働省が策定をしました子育て安心プランでは、2020年度までに待機児を解消するために、現行計画の前倒しなどを自治体に求めております。この中で、保育ニーズについて、待機児童の見込みと発生の乖離について検証を行い、必要に応じて翌年度の見込みの見直しを図るとされております。 答弁では、待機児童解消策として、今後さらなる受け皿の整備が必要との認識が示されましたが、その際、潜在的なニーズを把握し、計画に反映させるべきと考えますが、改めて、この点を踏まえた今後の待機児童解消の見通しについて伺います。 2点目は、国が進める企業主導型保育事業所は、当局が言われますように、待機児童解消の一翼を担う施設として期待される一方で、保育の質の低下や安全性を危惧する声が非常に高まっております。公益財団法人児童育成協会、ここが申請受理、審査、運営費と施設費の支給をしており、本市においてもここ3年間で、25施設と設置が進んでおります。企業主導型は公費が使われる上に、認可保育所と同等に固定資産税など軽減され、保育士の半分は、保育士資格がない保育補助でもよく、子供の年齢制限も人数制限もないことが重大な問題です。さらに、行政の監督責任も曖昧で、認可外施設となるため、指導監督のための浜松市による年1回の立入調査だけになります。プランの中で、認可保育所が待機児童対策の柱としてきた政策を転換するもので、市町村責任など、制度の理念を大きく後退させるものと懸念が広がっております。 答弁では、他の保育施設と同様に、立入調査を定期的に実施をすることなどを通じて、保育の質の確保に努めるとしておりますが、今後施設がふえることも想定する中で、市としてどうかかわっていくのか伺います。 3点目は、保育士の処遇改善についてです。 本市では、保育士人材確保について、市単独の保育士再就職支援研修を初め、国・県支援事業など、幾つかありますが、実際の利用状況をどのように見ているのか。また、新たな事業要求などは出されているのか伺います。 保育士確保については、まず低過ぎる保育士の給与を底上げし、本当に必要な保育士数を配置できるようにしなければ、保育現場から保育士が離れ、保育士不足は解決をしません。そもそも保育士給与のベースとなる公務員俸給が低過ぎ、昇給財源は11年目までしかなく、長く勤務し、経験を重ねても、処遇が変わらないことも大きな問題です。また現在の公定価格は、保育士数は国基準の最低基準どおりの配置とみなして算出されております。保育現場では、この基準では安全で健全な発達と成長を確保できないので、基準よりも多い数の保育士を雇用しています。現場の保育士の皆さんは、本当に必要な保育士数によって、公定価格を算出することを求めているんです。本市として、この点をどう受けとめ、国への働きかけをしているのか。また東京都では、都が保育士給与に約4万円の独自加算を行い、千葉県では、昨年10月から月額2万円、これは県負担が2分の1ありますが、これをやり、また横浜市、名古屋市なども独自施策を行っております。本市においても、格差解消までの間、賃金補助などの援助が必要ではないのか、考えを伺います。 以上です。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎こども家庭部長(金原栄行) 渡邊眞弓議員の再質問にお答えをいたします。 大きく3点かと思います。 まず、1点目の潜在的なニーズを踏まえた今後の待機児童解消の見通しについてということでございますが、本市におきましては、本年11月に子ども・子育てに関するニーズ調査を実施してございます。この結果につきまして、今後分析をいたしまして、保育需要を見きわめて、計画的な施設整備等による保育の受け皿確保を進めることで、待機児童の解消に努めていきたいというふうに考えております。 それから、2点目の企業主導型保育所におきます保育の質の確保、それから市のかかわり方ということでございますが、本市では年1回の立入調査を実施しておりまして、この実施につきましては、国の基準に基づき、職員の配置、保育室等の面積が適切であるかどうか確認するとともに、保育計画の作成など、保育所保育指針を踏まえた保育が行われているかなどを確認しております。 また、基準を満たしていない場合は、文書、または口頭指導により改善報告を求め、改善措置状況についての確認をしております。 さらに、認可外保育施設の保育従事者を対象といたしました研修会も毎年開催していることから、これらを通じて、今後も保育の質の確保に努めてまいりたいと考えております。 それから、大きく3点目でございますが、ポイントが3つほどあったかと思います。 1つ目の、本市の人材確保の利用状況と新たな事業見込みについてということでございますが、保育士再就職支援研修会など、受講生のアンケートの結果では、多くの受講生から好評をいただいてございまして、平成28年度には30名、平成29年度には32名が受講されていらっしゃいます。このうち、保育施設には合計で18名の方が就職をされていらっしゃいます。 また、保育士修学資金等貸付金事業につきましても、平成28年度には60名、平成29年度には102名と利用者がふえていることから、まずはこれらの事業の継続に努めていきたいと考えております。 また、2つ目の国への働きかけ、それから3つ目の賃金補助、格差につきましては、関連がありますので一括してお答えをいたします。 近年の急激な保育需要の高まりにつきましては、特に都市部での保育士確保が一層困難な状況にあるということは、周知のとおりでございます。保育士確保につながる処遇改善につきましては、公定価格の見直しなど、従来、国で統一的に行うべきものであると考えております。このため、これまでも指定都市市長会等を通じて要望を行ってまいりましたが、今後もこれを継続していきたいと考えております。 また、本年度から実施した保育士宿舎借り上げ支援事業などと同様に、国のメニューを活用した処遇改善により、保育士確保に引き続き努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆2番(渡邊眞弓) 議長、2番。 ○議長(飯田末夫) 2番渡邊眞弓議員。 ◆2番(渡邊眞弓) それでは、意見・要望を申し上げます。 人材派遣にかけても人が来ない。若い保育士もいるけど、賃金の高い東京に流れており、保育士確保はますます難しいという現場の声を聞きました。保育士確保と離職の防止のためにも、市独自の賃金補助制度こそが優先課題であると思います。ぜひ前向きに検討されることを強く要望しておきます。 それでは、次の質問に移ります。 大きな3番目ですが、非常勤職員の安定した雇用と処遇改善について、川嶋総務部長に質問をいたします。 1点目として、浜松市定員適正化計画では、平成32年までに正規職員を330人減らし、そのうち非常勤・再任用職員の活用で、合わせて191人減らすとしています。定型的な業務や特殊な資格が必要な専門分野で、非常勤職員を活用していくとしておりますが、定型的な業務の内容は何か、また専門分野で望ましい業務の具体的内容と、週30時間勤務の非常勤職員が望ましいとした理由について伺います。 2点目です。本市の非常勤職員は、平成30年4月、1232名で、勤務時間は原則として1週間当たり30時間勤務で、任用期間は1年を限度として、それまでの勤務状況を踏まえ、任用期間後に最大4回更新することができ、通算して5年を限度としての任用になっております。5年後、再度任用されるには、5年目に改めて試験を受け、合格する必要があります。市民への継続的な公共サービスを担保するためにも、また能率的な業務を行うためにも、経験者の任用回数制限、この撤廃が必要だと考えます。 また、6カ月空白期間規定が残っている一般事務職、6割の方についても規定を撤廃し、希望者は継続的雇用をするべきと考えますが、見解を伺います。 3点目です。とりわけ、くらしのセンター内にある消費生活相談員は、6名全員が非常勤職員で、国家資格である消費生活相談員やアドバイザー資格などの専門資格を持ち、研修や日々の相談業務から得られる知識の積み重ねにより、市民が抱える問題の解決に全力で当たっております。 また、消費者基本法の観点からも、消費者の安全確保や被害が生じた場合の適正かつ迅速な救済を図ることなど、極めて重要な役割を果たしております。 消費生活相談員に求められるのは、長年培った経験と専門性であり、現在のように5年で雇いどめになることは、浜松市においても大きな損失ではないでしょうか。相談者である市民にとっても、相談に乗ってくれる職員が途中でかわることで不安になることが懸念されます。 そこで、これまでの消費相談員公募の際の応募状況や役割、そして相談実績、市民の受けとめなどについて伺います。また、経験者の安定した雇用を保障すべきでありますが、他都市の状況とあわせて、考えを伺います。 4点目です。総務省は、平成32年4月より、会計年度任用職員という新たな制度をつくり、各自治体に規定の整備を求めておりますが、どのように本市では対応するのか。整備において、消費者庁や職員団体からの任用回数の撤廃を求める強い要望に対して、どう対応するのか伺います。 5点目です。非正規職員が置かれている低賃金の状況は、官製ワーキングプアそのものだと考えますが、見解を伺います。 以上、質問を終わります。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎総務部長(川嶋朗夫) 御質問の3番目の1点目、非常勤職員の業務内容と活用の理由についてお答えします。 現在、非常勤職員を活用している業務のうち、定型的な業務の例といたしましては、区役所や協働センターにおける証明発行業務や、税務部門における課税業務、滞納整理業務の補助業務、本庁各課の庶務業務などがあります。 また、専門的知識を必要としている業務としては、介護認定調査やケースワーカーの補助、家庭児童相談などの業務があります。 定員適正化計画を推進するに当たり、毎年度事務事業の見直しを行う中で、政策・立案業務など、正規職員が直接担わなければならない業務と、それ以外の業務に仕分けをした上で、外部で行うことが可能なものについてはアウトソーシングを活用し、内部で行うべき業務については非常勤職員を活用しているところでございます。 次に、2点目の非常勤職員の任用制度、3点目の消費生活相談員の役割及び任用制度、4点目の会計年度任用職員制度につきましては、関連いたしますので一括してお答えします。 非常勤職員の任用につきましては、1年を任期の上限として、勤務実績を踏まえ、4回まで任期を更新し、最長5年間任用することができる制度としております。4回の更新後に、新たに任用を希望する場合には、公募の選考試験に合格する必要がありますが、これは、市民参加型行政の手法の一つという制度の趣旨に基づき、希望される方の任用の機会を平等に取り扱う必要性を考慮しているものでございます。 また、非常勤職員は、任期に定めのない常勤職員と異なりまして、1年の任期を上限とする職ですので、更新を繰り返すことにより、常勤職員と事実上同等の取り扱いに転化されることは、不適切な取り扱いであるとして避けるべきものと考えています。 地方公務員法及び地方自治法の改正に伴い、現行の非常勤職員制度は、平成32年4月から、会計年度任用職員制度に置きかわることになります。任期等の考え方に変更はなく、引き続き、能力の実証に基づく任用制度は必要であると考えております。会計年度任用職員制度導入に向けては、条例の整備が必要となるものであり、法の趣旨を精査し、適正な制度となるよう検討しているところです。 なお、消費生活相談員は、商品やサービスの契約・解約に関する消費者からの相談、解決に向けた情報提供及び注意喚起に関する業務を行っております。平成29年度の実績は、相談件数が3658件で、その主な内容は、有料サイトや消費料金の架空請求などです。相談の状況によっては、消費者と事業者を仲裁し、問題解決を図っています。また選考試験については、これまで応募者が募集定員を下回ったということはありません。 消費生活相談員に関しても、非常勤職員として任用していますが、通算5年の任期を満了した後、新たに任用を希望する場合に置いていた、いわゆる待機期間については、職の専門性等を踏まえ、平成28年に廃止しています。他の自治体においても、多くの消費生活相談員は、1年を任期の上限とする非常勤職員として任用されているものと把握しています。 次に、5点目の非常勤職員の報酬水準についてお答えいたします。 非常勤職員の報酬に関しては、一般の職員の給与改定の状況や、非常勤職員の職責、勤務時間等を踏まえ、労働組合法上の労働組合との合意に基づいて設定しており、適正な水準であると考えております。なお職員からも、働きやすいとの意見も聞いているところでございます。 ◆2番(渡邊眞弓) 議長、2番。 ○議長(飯田末夫) 2番渡邊眞弓議員。 ◆2番(渡邊眞弓) それでは、4点について再質問をいたします。 1点目です。本市の非常勤職員である介護認定調査員、ケースワーカーの補助、家庭児童相談員に限って、その勤務状況について再質問をいたします。 週30時間、4日勤務という状況で、多様な市民からの要望に対応し切れているのでしょうか。要介護者は年々増加、ケースワーカーも国基準に満たない職員の配置、児童へのDVの増加や子供の貧困化の増大など、それぞれが担う職務は、非常に重い責任があります。現在の非常勤職員の処遇改善が必要であると考えますが、改めて伺います。 2点目です。先ほどの答弁では、最長5年間任用を市民参加型の手法の一つという制度の趣旨であり、任用機会を平等に取り扱う必要性を述べておられますが、採用試験を受ける時点で、既に機会の平等は担保されていると思います。市民が採用後の職員に望むのは、職務に携わる中で、研さんを積まれ、経験によるスキルの向上で、よりよい市民サービスが提供できる職員像です。5年後、一から始めることが、果たして効率的な業務運営に当たるのでしょうか。高齢や事情による退職での職員補充において、市民参加型行政は十二分に担保されると考えますが、いかがでしょうか。 3点目、消費生活相談員についてです。 今年度、消費者庁が行いました地方消費者行政の現行調査によりますと、政令市全体でこの任用回数の制限があると答えているのは、わずかに16%で、その中に浜松市が含まれております。 また、消費者庁からは、「任用回数に一律に制限を設けることなく、消費生活相談員の専門性に配慮した任用をしていただきたい」、この文書が何度も出されているんです。とりわけ、平成26年の文書では、本市のように任用回数に制限を設けている地方公共団体には、その廃止をお願いしますと、各都道府県知事や各市区町村宛てに出されているではありませんか。8割以上の政令市で実施をしている任用回数の撤廃は、待ったなしの状況ではないでしょうか。 改めて、文書の受けとめと、本市においても廃止の方向で検討する考えはないのか伺います。 最後、4点目です。労働組合との合意をもって、労働条件を決定することは、コンプライアンス上、当たり前のことです。本市における非常勤職員の報酬は、年間約230万円で、まさにワーキングプアそのものです。一方で、労働組合からの要求としての賃金引き上げは実現していないと聞き及んでおります。職員の生活改善を望む、賃金引き上げ額の実現が充足されてこそ、適正な水準と言えるのではないでしょうか。 市民の一人である非常勤職員の皆さんの生活向上で、購買力が増し、景気がよくなり、市の税収もふえる、そのような景気の好循環をもたらすためにも、賃金の底上げは必要であると考えますが、いかがでしょうか、伺います。 以上です。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎総務部長(川嶋朗夫) ただいまの渡邊眞弓議員の再質問にお答えいたします。 再質問は、4点いただきました。 まず1点目は、家庭児童相談員等、週30時間の勤務で対応できているのか。処遇改善が必要ではないのかということだったかと承知しております。 2点目でございます。機会の均等は、退職時の職員補充で十分ではないかということで、最初に選考試験をやっているから、それでよいのではないかということかと思います。 3点目でございますが、消費生活相談員の任用回数の制限と、消費者庁の要請どおりやめるべきじゃないかというもので、4点目が、非常勤職員の賃金水準を引き上げるべきではないかということの質問でございました。 まず、1番目でございます。要介護者の数や、家庭児童相談の件数など、業務量の増加には、非常勤職員だけではなく、業務応援や正規の増員など、所管課が全体の体制の中で対応すべきものというふうに考えております。それらの中で、週30時間であります非常勤職員の勤務条件が、現行のそれぞれの中の円滑な業務に支障を及ぼしているというふうなこととしては考えておりません。処遇は適正なものというふうに考えております。 次に、任期でございますが、現行制度は市民参加型行政の手法の一つということで申し上げました。これは、同じ方が一旦採用された場合に、競争試験なしに繰り返し任用され続けるということは、ほかの方がその職を希望した場合に、その任用の機会を奪ってしまうというふうなもので、やはりこれは避けるべきものだというふうに考えております。 また、3点目の消費生活相談員の任用回数につきまして、これは任期ごとに客観的な能力実証が必要であるということ自体は、これは消費者庁の通知にもございまして、消費者庁と見解が相違しているところではございません。特に本市におきましては、勤務実績によりまして、合計5年の任期の後に試験に合格した場合については、前の任期に引き続き任用できるということで、決して試験に合格した場合の次の5年までを否定するものではございません。 最後に、4点目の報酬の水準は先ほど申し上げたとおりでございまして、報酬、その他の勤務条件につきましては、労働組合との適法な団体交渉に基づき、組合側と当局側の妥結したその結果として、内容を確認書として所管官庁にも届けているというものでございます。報酬、その他勤務条件に関する今の水準は適正なものというふうに考えております。 ◆2番(渡邊眞弓) 議長、2番。 ○議長(飯田末夫) 2番渡邊眞弓議員。 ◆2番(渡邊眞弓) 意見・要望を申し上げます。 5年のルールは、実態と合わなくなっているのではないか。また、仕事を失う不安がある中での仕事は大変こたえますなど、これは実際に働いている人の声です。雇用を脅かすことになっても構わない、それが平等の取り扱いなのだという考えは間違っていると思います。市民にとっても損失です。撤廃の方向で再考を強く要望しておきます。 それでは最後の4番目の質問に移ります。 高齢者の補聴器補助制度の創設についてです。朝月健康福祉部長に質問をいたします。 1点目です。高齢化が進む中、聴覚が衰えた難聴者がふえております。難聴のため会話もスムーズにできず、外出を控えるため交流も少なくなり、コミュニケーション能力の低下から認知症などの原因となる可能性が指摘されておりますが、この点をどう認識しているのか伺います。 また、東京都台東区では、介護保険に関連して各自治体が3年に1度実施をしております高齢者実態調査に、「聞こえに障害を感じているか」、この質問項目をつけ加えたところ、23%の方が聞こえに何らかの障害を抱えていることがわかったそうです。本市における実態把握はどうでしょうか。今後の対応策を考える上でも、本市でもこの項目を設問項目に入れてはどうか、伺います。 2点目です。現在、障害者総合支援法では、高齢者を含めた障害者を対象とする補装具の支給の中に補聴器の助成制度がありますが、その内容について伺います。 また、高齢者の難聴対策として補聴器は必需品となっておりますが、障害者以外の高齢者には助成制度がありません。さまざまな補聴器が市販されておりますが、大変高価であります。高いものでは50万円、それも片耳です。近所のお店に聞きました。幾らのものがたくさん売れていますかと言うと、「大体15万円前後、高いものでは30万円がうちでは最高でした」というようなことで、大変高価です。年金生活の高齢者にとっては、購入が大変という声が多く聞かれます。高齢者の経済負担を軽減し、社会参加を促し、安心の高齢社会実現のため、既に実施している自治体があると聞きますが、その実態と、本市においても補聴器購入費助成制度を実施する考えはないのか伺います。 最後、3点目です。聴覚障害者が参加する講演会等には、合理的配慮の観点から磁気ヒアリングループが必要となります。市や福祉交流センターで貸し出しを行っておりますが、その利用実態と利用促進について伺います。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎健康福祉部長(朝月雅則) 1点目、難聴の高齢者支援についてお答えをいたします。 平均寿命の延伸に伴い、高年齢層の増加とともに、認知症の高齢者数も増加している中、平成27年に国の認知症施策推進総合戦略が策定され、認知症の発症については、加齢、遺伝性のもの、高血圧等に加え、難聴も一つの要因とされており、本市でも難聴と認知症は関連性があると認識をしております。 次に、難聴である高齢者の実態につきましては、本市がはままつ友愛の高齢者プラン策定のため、平成28年に実施した高齢者実態調査では、聞こえに関する項目を設けておらず、把握はしていない状況です。 今後につきましては、来年度、3年ごとの高齢者実態調査を予定していますが、この調査項目は県内統一の設問に、市の独自の設問を加えるものであり、追加できる項目には限りがありますが、全体の構成の中で検討をしてまいります。 次に2点目、高齢者の補聴器助成制度についてお答えいたします。 障害者総合支援法による補聴器の助成制度につきましては、聴力レベルにおいて、身体障害者6級以上の手帳を取得している方を対象としております。具体的には40センチメートル以上の距離で発生された会話の理解が困難な方などに、補聴器の購入や修理に要した費用の一部を助成しています。利用者負担額は、3万7200円を上限として原則1割ですが、市民税非課税世帯及び生活保護受給世帯は負担がございません。 次に、障害者手帳の取得に至らない中軽度の難聴である高齢者の方に対する補聴器補助制度ですが、大都市部のうち指定都市においては、本市を含め実施の例はございません。東京都では、以前都が実施していた制度を引き継ぐ区もあり、江東区や新宿区等、8つの特別区で実施しております。県内では長泉町が実施しており、今後他都市の実施状況や効果等について、調査研究してまいります。 次に、3点目のヒアリングループの活用についてお答えします。 補聴器を使用している聴覚に障害のある方が、講演会等においてクリアな音声で聞くことができる携帯用磁気誘導無線アンプセット「ヒアリングループ」を、障害保健福祉課及び浜松市福祉交流センターに配備し、貸し出しを行っております。利用状況は、聴覚に障害のある方が参加する講演会等へ年に1回程度の貸し出しをしておりますが、十分認知されていない可能性も考えられます。 今後、改めて障害者団体に周知するとともに、集会施設などを管理する指定管理者等への障害者差別解消法に関する啓発の際にも、あわせて周知をしてまいります。
    ◆2番(渡邊眞弓) 議長、2番。 ○議長(飯田末夫) 2番渡邊眞弓議員。 ◆2番(渡邊眞弓) それでは、意見・要望を申し上げます。 実は、この要望の発端は、地域でそれなりの年齢を重ねてきた方たちの会話の中から出てきた身に迫った話なのですが、70歳前後になると、難聴を自覚する方が多く、補聴器をつけている方が意外に多いことがわかりました。耳の聞こえが悪いと、みんなの会話に入っていきづらくなり、会話が減ってきたという切実な声も聞かれます。答弁では、認知症とも関連性があることがはっきりしました。 お手元のカラーの聴力図の資料ですが、今話題にしているのは「そろそろ補聴器」と書かれた50から70デシベルの範囲の高齢者のことです。A3の資料は、①浜松市の調査票、右の②は台東区のものです。ぜひ次回の実態調査には入れていただきたいと思います。ヒアリングループのことも書かれております。 先ほどの答弁では、検討し、調査研究をしていくとのことでした。早期の実現を願って、私の一切の質問を終わります。(拍手) ○議長(飯田末夫) この際、午後3時30分まで休憩いたします。     午後3時12分休憩-----------------------------------     午後3時30分再開 ○議長(飯田末夫) 会議を再開いたします。----------------------------------- ○議長(飯田末夫) 一般質問を続けます。 32番花井和夫議員。(拍手) ◆32番(花井和夫) 皆さん、こんにちは。自由民主党浜松所属議員として、通告に従い質問させていただきます。 質問の1番目は、みどりと公園について、伊藤花みどり担当部長にお伺いをいたします。 緑は、我々の生活に潤いや安らぎなど、精神的な充足感を与えてくれるばかりではなく、生活環境の保全や浄化、生物多様性の確保、さらには防災減災機能、景観やスポーツ・レクリエーション、交流の場など、多様な機能を持っており、生活する上で、必要不可欠な生存基盤として重要であります。社会状況の変化とともに、市民の皆さんの緑に対する意識も多様化してきており、緑が多く、緑が大切であると感じているが、一方で、自分自身で花や緑を育てたり鑑賞するなど、緑に対する意識の醸成はなかなか進んでいないとも聞いております。緑で覆われている面積割合である緑被率など、量的な視点だけではなく、緑の機能発揮による公益的効果や地域課題の解決など、緑の質を高めていくことが重要であります。 本市でも、緑地の保全や緑化の推進について、将来像や目標、施策を定める基本となる計画である緑の基本計画を策定しており、現在の計画は、「みどり生活を愉しむまち・浜松」を目標に、平成22年度から31年度までの計画となっております。次期計画策定に向けて議論が始まっております。 そこで1点目として、緑の基本計画見直しに向けて、これまでの計画の現状や課題等をどう捉えているのか、またその策定方針についてお伺いをいたします。 本市で、今年度実施した広聴モニターによるアンケート調査で、これからの公園のあり方について聞いており、結果が公表されております。公園の利用頻度について、余り利用しない・ほとんど利用しないが6割以上を占めており、月に1回以上利用する人の割合が3割となっております。また、公園を利用している人のうち、自然を感じるとか、利用しやすいといったプラスイメージがある反面、マイナスイメージとして、魅力に欠けるとか、特徴がないと感じる人が2割、特に何もないが4割となっており、特徴ある公園づくりにより、公園の魅力を上げ、利用者をふやしていくことが求められております。 現在の緑の基本計画では、都市公園整備等の目標と方針として、付加価値の高い、利用者にとって魅力ある公園づくりを目指すとしています。本市でも、寄附を受けた中郡町の旧鈴木家屋敷で、(仮称)万斛庄屋公園の整備が3年計画で地域と行政の協働で現在進められており、高齢者の社会参加や子供の居場所づくりなど、多世代の交流拠点として、地域の課題を解決し得る魅力ある公園づくりを行っております。 国においても、新たな時代の都市マネジメントに対応した都市公園等のあり方検討会の報告として、社会状況の変化とともに、都市公園等が持つ多機能性を地域や市民のために発揮すべく、そのポテンシャルを最大限発揮させるための政策に移行すべきとしております。そのためにも、ストック効果を高める、民との連携の加速、都市公園を一層柔軟に使いこなすことが重視すべき観点として挙げられております。ことし4月施行の都市緑地法の改正では、都市公園の管理方針についても、緑の基本計画への記載が求められております。 そこで2点目として、都市公園についても新たな観点からそのあり方が問われており、今後の都市公園のあり方についてお伺いをいたします。 質問の2番目は、公共交通政策について、岡本都市整備部長にお伺いをいたします。 公共交通を取り巻く環境は、少子・高齢化や人口減少、交通状況の変化など、社会状況の変化により一段と厳しくなっております。公共交通の一翼を担う路線バスの利用者数は減少しており、ピーク時である昭和50年の3分の1以下になっており、相次ぐバス路線の廃止や統合などといったサービスレベルの低下を招き、この結果により、さらに利用者が減少し、負のスパイラルに陥っている状況にあります。公共交通政策は、まちづくりや福祉、地域の活性化など、さまざまな施策の根幹にかかわるものであり、地域経済や社会活動の基盤であります。また環境問題、交通事故削減等への対応においても、公共交通のあり方は大変大きな課題となっております。 こうした状況を踏まえ、本市においても平成32年度を目途に、総合交通計画の見直しが進められており、公共交通のさらなる活性化が求められております。平成22年度に策定された現在の計画では、平成18年度から4カ年にわたり実施された、人の交通行動や交通目的を把握するパーソントリップ調査がその根底にあり、実態調査の実施から、現況分析・交通計画課題の検討、将来交通計画の策定等につなげております。調査を行った当時と現在では、10年を経る中で、経済や社会状況が大きく変化しており、中山間地での公共交通は特に厳しくなっており、計画策定に必要なデータを収集するためにも、パーソントリップ調査等の現状把握のための調査の実施が必要であります。 そこで1点目として、見直しが進められている総合交通計画について、まずは現状を的確に把握することが大切であり、この分析をもとに課題を抽出し、その対応が求められているが、現状把握の手法についてお伺いをいたします。 公共交通を活性化していくためには、潜在的な利用者を掘り起こし、利用者の増加を図ることが大切であります。平成19年のパーソントリップ調査では、バスや電車などを利用する公共交通分担率は4.4%であり、総合交通計画では、平成42年までに5.5%に引き上げる目標が掲げられておりますが、実際には、現状では伸びるどころか、さらに低くなっている状況にあります。市民の一人一人が公共交通の利用者として、自発的に意識や行動を変えていく必要があり、モビリティ・マネジメントの取り組みを真に公共交通の利用促進を図るために、積極的に活用していくことがますます重要となっております。 そこで2点目として、過度な自動車利用から、公共交通利用への転換を図る効果的なモビリティ・マネジメントの推進策についてお伺いをいたします。 質問の3番目は、オープンデータの利活用推進について、内藤企画調整部長にお伺いをいたします。 今日、スマートフォンやタブレット、またSNSが普及し、ICTやIoT、AIなど、情報通信技術の進化・発展により、子供も大人も問わず、誰もがどこでも気軽にインターネットやアプリを使って楽しみ、さまざまに活用する時代になっております。 国においても、情報化社会の次に来る社会として、先端技術を産業や生活の中に取り入れ、新たな価値を創出するとともに、経済発展と社会的課題の解決を両立する社会であるSociety5.0を提唱しており、ことし6月には、世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進計画が示され、IT戦略を進める中で、世界最先端デジタル国家へと一層深化させ、国民が安全で安心して暮らせ、豊かさを実感できる社会を実現することを目指しております。その鍵の一つとなるのは、国や地方、また民間等に散在するデータを連携させ、分野や組織を超えたデータの利活用と提供にあるとされております。 その中で、オープンデータについて、その推進に取り組んできましたが、利活用の促進に課題があり、民間ニーズに即した利活用しやすい公開が必要とされております。本市においても、これまでオープンデータの公開が進められ、民間による利便性の高いアプリ等が作成され、市のホームページでも紹介されております。本市としても、情報化基本方針を今年度中に策定する予定であり、ビッグデータやオープンデータ、AIの活用等を重点項目として盛り込むこととしており、今後オープンデータの利活用による地域課題の解決や、新たな市民サービスの提供が期待されるなど、一層のオープンデータの利活用推進が求められております。 ことし10月に、本市においてオープンデータの利活用等を進めるオープンガバメント推進協議会の公開シンポジウムが開催されております。会長を務める熊谷千葉市長は、「市民と一緒にまちづくりを行っていく上で、行政や議会は多くの情報をもとに将来を考え課題認識を持つが、市民に我々と同じようなまちづくりの意識を求めるならば、市民も同じ情報を持つことで、同じ立場・気持ちになれる。同じ方向や意識を持ってまちづくりを進める上で、行政の持つ情報を市民と共有する取り組みは、ICTとは関係なく進めるべきだ」と、挨拶で述べております。 また、自分たちのまちの特徴や魅力を発信するために、オープンデータを活用し、今まで埋もれていたり知らなかったことを発掘し、プレゼンテーションにより競い合うシビックパワーバトルが「住む」ということをテーマに行われました。予選を勝ち抜いた3つの都市と、浜松市も含め、4つの市により行われ、高校生5人組の室蘭市チームが、データにより裏づけされた5つの漢字で室蘭の魅力を紹介し、若さが光る発表を行い、最優秀賞を獲得いたしました。こうしたデータを使って魅力を発信し、他都市と競い合う取り組みは、新たな感覚で大変すばらしいと感じました。 そこで、本市におけるオープンデータの利活用に関し、推進状況及び今後の展開についてお伺いをいたします。 質問の4番目は、本市の国際交流推進について、内藤企画調整部長にお伺いをいたします。 国際的な都市間連携や国際組織への加盟、また市民による草の根の国際交流は、グローバル化の進展とともに、その果たす役割がますます重要となっております。全国の多くの自治体が、国際貢献とともに都市の魅力を向上させ活性化につなげようと、都市間競争もより厳しくなっている状況であります。 本市においても、合併以前の旧市町からの姉妹都市を継承するほか、音楽・観光分野など、特定の分野における友好都市や覚書の締結により、本市の活性化につなげるべく、都市間の連携や交流が行われております。 しかしながら、一方で、締結当時は盛んであったが、その後の継続的な連携や交流がされていないとの指摘もあります。高額な渡航費用など、財政的な理由や人材不足など、理由はあるかと思いますが、地道で継続的な交流や人材の育成等が国際交流には欠かせません。今後ラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピック、また大阪万博の開催等、国際的なイベント開催が控えており、国際交流を図り、本市のさらなる活性化につなげていくことが大事であると考えます。 本市では、国際戦略プランを策定し、本市の持つ特徴や強みを生かし、効果的な施策展開を図ることで、本市の活性化と国際社会への貢献を果たすための指針としており、多様な人材が活躍し、選ばれる都市浜松を目指し、施策が行われております。本年、プランの最終年度を迎え、新たなプラン策定に向け、見直しが行われており、その素案の中で、「産業経済や文化の活動拠点として多様な人材が活躍し、世界的な視点から選択され、多くの人が訪れる魅力ある都市」を目指す姿としております。 そこで1点目として、新しいプランによる海外諸都市や国際機関等との連携について、施策の推進策をお伺いをいたします。 現計画において、民間交流を重視した都市間外交の推進が掲げられております。市民による草の根の国際交流も盛んに行われており、その重要性も増しているものと思います。国同士の紛争や関係悪化による国家間の交流が停滞する場合でも、民間の交流が信頼に基づく相互理解や補完の役目を果たすなど、役割も大きいものがあります。 私もオーストラリアとニュージーランドの草の根の交流をさせていただく中で、文化・スポーツや留学支援、また産業など、さまざまな親善交流を通して、人と人との結びつきの大切さを感じております。また全国の関係団体や在日大使館等との連携協力により、活動の一層の深まりを感じております。 そこで2点目として、市民による国際交流も活発に行われており、そうした国際交流団体に、これから期待することや支援のあり方の考えをお伺いをいたします。 質問の5番目は、歴史や文化を生かしたまちづくりについて、寺田文化振興担当部長にお伺いをいたします。 先月開催されました浜松城天守曲輪の発掘調査現地説明会、また二俣城跡や鳥羽山城跡の国指定記念シンポジウム、また天竜区山東にある市内最大の前方後円墳、光明山古墳の現地説明会には、県内外から多くの方が訪れるなど、これまで知られていなかった本市の歴史や文化についての関心が大きく高まっております。浜松には、多くの多様な歴史や文化があり、掘り起こすことにより、市民が地域により一層誇りや自信を持つこととなり、まちづくりにつなげていくことが大切であると思います。そこで2点について、寺田文化振興担当部長にお伺いをいたします。 1点目は、浜松における民藝運動の顕彰についてであります。 有玉にある高林家は、江戸時代より独礼庄屋として代々栄えてきており、浜松藩の代官を務めるなど、歴代当主が浜松藩の農村支配や文化の振興に果たしてきた功績は、大変大きなものがあります。第8代当主の方朗は、内山真龍や本居宣長に国学を学び、浜松藩主であった水野忠邦の国学の師として活躍をしております。近代に入り、地域の殖産興業にも貢献し、第14代当主の兵衛は、遠州病院の設立者でもあり、和時計や大津絵などの収集家としても知られており、民藝運動を強力に支援しておりました。柳宗悦が提唱した暮らしの中で使われる手仕事による日用品の中に、用の美を見出し、活用する運動である民藝運動の中心でもありました。昭和6年に、高林邸内に日本最初の民芸関連の常設展示場である日本民藝美術館を設立しております。自邸内の江戸時代の建物を解体して、その部材を用いて新築したもので、草ぶきの古民家をほうふつとさせるものであり、ことし3月に、高林家の主屋や長屋門、民藝館であった田舎家など、4棟の住宅と給水塔1基が、国登録有形文化財となっており、建物内の建具やつくり、調度品などに、民藝運動の意匠が感じられ、現在も存在しております。本市で発展した民藝運動を再び顕彰することには大きな意義があり、地域づくりに向け、つなげていくことが大切であると思いますが、そのお考えをお伺いをいたします。 2点目として、家康公の浜松城入城450年に向けた歴史の掘り起こしについてお伺いをいたします。 昨年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」では、新たな視点での家康公や今川義元公が描かれ、義元公の再評価につながったことは、直虎効果の一つとも言え、来年迎える今川義元公生誕500年、北条早雲没後500年、甲府開府500年の甲斐・相模・駿河の三国同盟の節目の年につながっております。また2020年の大河ドラマ「麒麟が来る」では、明智光秀が主人公として江戸時代につくられた逆臣のイメージとは違う視点により描かれ、最新の研究で新たなアプローチがなされ始めている戦国時代の英雄の姿を、従来のイメージを覆すキャラクター像として描くとしております。本能寺の変のあった1582年は、家康公が堺から伊賀越えで浜松城へ逃げ帰ったことは有名であり、どんな浜松城在城時の家康公が描かれるか、今から楽しみであります。これまで行われた家康公四百年祭や大河ドラマの放映を契機に、埋もれていた歴史の掘り起こしや研究が進んでおり、さまざまな事業に歴史的根拠が加わることによって、深みが増すことになってまいります。2020年の家康公浜松入城450年、2022年には三方ヶ原合戦450年という節目の年を迎えるに当たり、さらなる歴史の掘り起しにより、深みと弾みを持たせることが大切であると思いますが、その考えをお伺いをいたします。 質問の6点目は、東京2020パラリンピック競技大会に向けて、3点について、寺田文化振興担当部長にお伺いをいたします。 東京パラリンピックの開催まで、1年8カ月余り、ブラジルとの協定締結により、全22競技の事前合宿が本市で行われることになり、共生社会ホストタウンの認定も受け、ユニバーサルデザインのまちづくりや、心のバリアフリーを総合的に進め、大会後の発展的交流も視野に、その受け入れ準備が鋭意進められている状況にあります。先進的に受け入れ準備を進める本市の取り組みは、全国的にも注目を集めております。しかし全国の自治体では、宿泊施設や選手送迎などの課題があり、ちゅうちょするところも多く、ホストタウン事業でパラリンピック関連事業が進まず、共生社会実現への機運が高まっていないという指摘もされております。 先月、本市において、大分国際車いすマラソンに出場のブラジル選手団の事前合宿が行われ、宿泊や送迎等において実際に対応する中で、さまざま課題も見えてきているものと思います。そこで1点目として、車いすマラソン選手団の事前合宿や、ブラジルパラリンピック委員会の視察を通して、受け入れに向けての課題についてお伺いをいたします。 2点目に、パラリンピック事前合宿受け入れの先進都市として、市民のパラリンピックへの機運醸成は大変重要であります。競技にはどのような種目があるのか、その内容、また障害の種類についてなど、障害者スポーツへの理解はまだまだ進んでいない状況にあります。実際に競技を体験したり、選手との交流などを通して理解を深めていくことは大切であります。そこで、機運醸成に向けて、今後の取り組みをどのように考えているかお伺いをいたします。 3点目に、パラリンピックの聖火リレーについて伺います。 オリンピックの聖火リレーについては、組織委員会より既に日程や概要が示されており、静岡県内のルートも県の実行委員会で検討されております。一方で、パラリンピックの聖火リレーについては、組織委員会では、イギリスのストーク・マンデビルと日本の国内の数カ所で採火をし、聖火フェスティバルを行い、東京でその聖火を一つに集め、聖火リレーを行うという基本方針が示されております。 パラリンピック聖火リレーには、「パラリンピックを応援するみんなの熱意が集まって一つの炎になる」という基本的な考えがあり、前回のリオデジャネイロオリンピックでは、ブラジル国内の5つの都市とイギリスのストーク・マンデビルで採火式を行い、リオデジャネイロでその火が集められ、パラリンピックの開会式で灯される聖火となりました。 そこで、パラリンピック聖火リレーについて、共生社会ホストタウンとして、受け入れにとどまらない取り組みとして、採火式の候補地として検討していくことも意義のあることと思いますが、本市としての今後の取り組みについてお伺いをいたします。 以上、御答弁をよろしくお願いいたします。 ○議長(飯田末夫) 当局からの答弁を求めます。 ◎都市整備部花みどり担当部長(伊藤哲) 第32番自由民主党浜松花井和夫議員の御質問にお答えをいたします。 1番目の1点目、緑の基本計画の見直しについてでございますが、現在の緑の基本計画の計画期間は、平成22年度から平成31年度までの10カ年となっております。このため、新たな計画の策定に向け、昨年度から緑被率調査や市民アンケートを実施するなどの作業に取りかかっております。 これまでの計画の取り組み実績としては、浜松城公園の歴史ゾーンを整備し、歴史・文化遺産を生かした公園の充実を図りました。またフラワーパークを中心とした浜名湖観光圏での花フェスタの開催は、民間活力を積極的に活用し、観光や交流への波及効果を生み出しており、これらの取り組みにより、緑と公園に対する市民意識の向上に努めてまいりました。 新たな計画策定に当たっては、平成29年度の都市公園法及び都市緑地法の改正内容や、本市の緑地の保全、緑化の推進の現状を踏まえ、これまでの計画の基本的な考え方を継承しつつ、民間活力導入や市民協働をより一層推進する、実効性の高いものを目指してまいります。 このため、現在、環境、子育て、林業などの専門分野で活躍する方を委員とした策定委員会を設置し、議論していただいております。豊富な経験をお持ちの委員の意見をもとに、新たな計画を策定することで、魅力あるまちづくりや、豊かな暮らしの実現を図ってまいります。 次に、2点目の今後の都市公園のあり方についてお答えをいたします。 平成28年5月に、国土交通省が新たな時代の都市マネジメントに対応した都市公園等のあり方検討会の最終結果を公表しました。この中で、人口減少や少子・高齢社会における公園の再編や利活用のあり方、まちの活力や個性を支える公園の運営のあり方について方針が示されました。この方針の一つに「民との連携を加速する」というものがあります。これは従来の行政主体の整備や維持管理から、今後は市民やNPO等の主体的な活動を支援していくことや、民間施設と積極的に連携していく方向にシフトしていくことが示されたものです。 また、「都市公園を一層柔軟に使いこなすこと」も方針の一つに掲げられ、地域との合意に基づく弾力的な運用や、まちづくりの一環としてマネジメントしていくことも示されています。 本市が、平成23年度から東区中郡町の地域住民と取り組んでいる旧鈴木家屋敷跡地の公園づくりは、市民やNPOの主体的な活動を市が支援し、進めているものであり、国の方針にも沿ったものです。 今後もこの取り組みが実を結ぶよう進めていくとともに、民との連携や市民との協働による公園づくりを推進し、市内の他の公園へも展開が図られるよう努めてまいります。 ◎都市整備部長(岡本光一) 次に、2番目の1点目、総合交通計画見直しに係る現状把握の手法についてお答えいたします。 市民の移動実態を把握する代表的な調査として、パーソントリップ調査が挙げられます。本市を含む西遠都市圏では、平成18年度から4年間で調査を実施いたしましたが、調査期間が長期にわたるなどの課題がございます。 このため、今回の総合交通計画の見直しでは、パーソントリップ調査のデータをもとに、近年のIT技術を活用し、交通系ICカードや携帯電話の基地局データ等のビッグデータから、市民の移動実態を把握することとしております。さらに公共交通の分野については、課題が多いと認識している中山間地域において、バス利用者へのアンケートや関係者へのヒアリングを実施し、状況把握を行い、課題整理に反映してまいります。 次に、2点目のモビリティ・マネジメントについてお答えいたします。 現在、市が実施している代表的な取り組みとして、転入者に対する公共交通の資料提供が挙げられますが、最近では、バス路線図や時刻表等の公共交通データのIT化が進み、利用者もスマートフォン等で検索し情報収集する傾向が進んでおります。こうしたことから、今後の資料提供については、交通事業者のホームページや時刻表を案内するQRコード等を掲載したクリアファイルに見直しし、PR効果の増大と経費削減を図ってまいります。あわせて、市が発行する広報紙等を活用した市民の皆様への公共交通利用の呼びかけや、企業に対するエコ通勤の協力依頼等、幅広くモビリティ・マネジメントに取り組んでまいります。 公共交通を維持していくためには、市民の皆様に利用していただくことが不可欠でありますので、交通事業者とも連携をしながら、公共交通利用促進の取り組みを継続してまいります。 ◎企画調整部長(内藤伸二朗) 3番目のオープンデータの利活用推進についてお答えをいたします。 平成27年度にオープンデータの公開を始めて以来、公開データ数が毎年順調に増加しているだけでなく、オープンガバメント推進協議会等に参加することによって、参加自治体や企業、大学等と連携し、オープンデータの利活用推進に取り組んでおります。 具体的には、昨年度から新たに、地域の歴史的建造物や文化財、観光名所などに関する解説記事を、現地取材を踏まえて、インターネット上の百科事典ウィキペディアに編集するイベント、ウィキペディアタウンを開催し、参加者が地域の情報を発信することによって、広く市民にオープンデータの普及を図っております。 このほか、本年10月に、本市では初めてシビックパワーバトルを実施いたしました。これは参加グループがオープンデータを用いて、まちの魅力を伝えるプレゼンバトルで、市民みずからのまちを愛する気持ちであるシビックプライドを競うことによって、新たなまちの魅力の発掘にもつながったと考えております。 今後は、これらの取り組みに加え、AIスピーカーの普及に伴い、スマートフォンでいうところのアプリに当たるAIスピーカーのスキル開発が進んでいくことから、市民や企業等の御要望に沿ったオープンデータの公開を推進することで、市民サービスの向上につなげてまいります。 次に、4番目の1点目、新しい国際戦略プランによる海外諸都市等との連携に係る施策の推進策についてお答えをいたします。 現在、策定を進めております第2次浜松市国際戦略プランでは、都市外交方針において、国際的なネットワークを通じた海外諸都市との関係構築を掲げ、引き続き海外諸都市や国際機関等との連携のための施策として、都市・自治体連合--UCLG等を通じた海外諸都市との連携に取り組んでまいります。 これまで本市は、UCLG等の持つ世界規模のネットワークを活用し、海外諸都市との積極的な関係構築を図ってまいりました。台湾・台北市との観光交流都市締結や、インドネシア共和国・バンドン市との文化・環境分野等の交流に関する基本合意書締結などは、このネットワークを契機として築いた成果でございます。 また、昨年度には、多文化共生分野の国際的組織であるインターカルチュラル・シティ・ネットワークへアジアの都市として初めて加盟いたしました。同ネットワークへは、世界120を超える都市が参加しており、今後、ネットワークを積極的に活用し、多文化共生施策の先進的な取り組みが行われている欧州やオーストラリアの海外諸都市等との連携促進を図ってまいります。 今後においても、引き続きこうした国際的組織の持つネットワークを活用し、海外諸都市との関係構築と、海外展開の基盤整備を進めていくとともに、市民、行政がさまざまな形でかかわる中で、交流都市との信頼関係を深め、相互の発展につながるよう取り組んでまいります。 次に、2点目の市民による国際交流団体への期待や支援についてお答えをいたします。 本市では、国際戦略プランにおける都市外交方針に、民間交流を重視した都市外交の推進を掲げております。現在、浜松市における海外諸都市との友好交流は、地域の国際交流団体が主体となり、相互訪問や交流イベントなど、活発な活動が行われております。国際交流は、人と人との交流やつながりが重要であり、本市における姉妹都市交流も、市民主体の交流として進められてきました。 本市では、海外諸都市から来訪された皆様に対して、市勢や観光情報の提供、楽器博物館などの視察施設の紹介、市長への表敬訪問などにより交流活動を支援しております。また、国際交流に関する助成としては、国際交流協会において、国際交流団体による友好交流など、各団体が実施する多文化共生・国際交流推進事業に対する活動支援を実施しております。 今後におきましても、国際交流団体の皆様には、活発な交流の継続を期待するとともに、本市といたしましては、市民主体の民間交流を基盤としながら、国際交流活動の着実な促進が図られるよう、国際交流協会を通じた支援などに努めてまいります。 ◎市民部文化振興担当部長(寺田聖子) 次に、5番目の1点目、浜松における民藝運動の顕彰についてお答えします。 民藝運動は、日常の生活用具に美しさを見出し、心豊かな生活を実践する活動として、大正末期に始まりました。その当時、民藝運動の父と呼ばれる柳宗悦と、本市で教師をしていた中村精、医師の内田六郎らとは人的なネットワークがありました。昭和6年に、親交が深かった高林家に日本初の民藝館ができ、本市は民藝運動発祥の地と言われています。また民藝運動は、本市においてつむぎの絹織物であるざざんざ織りを生み、新たな産業の発展にも寄与しました。日常生活の道具や職人の技術の内にこそ美があることに、日本で初めて気づいたのが浜松の先人だったと言えます。民藝運動が浜松に果たした役割を顕彰することは、ものづくりのまち浜松を再評価することにつながります。 今後においても、図書館、美術館、博物館で所蔵する資料を初め、関係する団体にも御協力をいただき、企画展や講座を続けてまいります。こうした取り組みが民藝運動への関心を高め、地域を愛する心の醸成につながるものと考えています。 次に、2点目の家康公入城450年に向けた歴史の掘り起しについてお答えいたします。 平成32年は、家康公浜松入城450年に当たります。浜松が初めて戦国大名の拠点となり、家康公が17年間で天下のナンバーツーとなるまで大きく飛躍し、浜松も大きな変貌を遂げた節目の年となります。 ここ数年間、浜松城跡を初め、先ごろ国指定となった二俣・鳥羽山城跡などの調査が進み、堀尾吉晴など歴代の城主の活躍が明らかになってきました。 家康公浜松入城450年は、家康公とその家臣団について、さらに調査を進める好機と捉えています。城跡の発掘はもちろん、浜松城の新たな絵図や古文書の調査も、市民講座を開催するなどして、市民参加で進めてまいります。また、家康公にまつわる地域に残る伝説や伝承にも注目いたします。 浜松にとって歴史的にも記念の年が、新たな地域資源の掘り起こしや継承のきっかけとなり、シビックプライドの醸成につながるよう取り組んでまいります。 次に、6番目の1点目、受け入れに向けての課題についてお答えします。 車いすマラソンのブラジル選手団の合宿は、11月8日から7日間行いました。選手は5名で、うち車椅子利用者が4名、義足の方が1名でした。選手の皆さんは、さまざまな大会に出場するため、世界各国を訪れており、基本的に自分のことは自分で対応し、どうしても困ったときに、周囲の人に声かけをするスタンスでした。こうした選手の皆さんですので、本市のホテルや練習会場については、問題なく利用できることが確認できました。このような状況を踏まえ、各施設における大規模なUD改修は考えておりませんが、今後、競技ごとの合宿により検証を重ねれば、本番に向けた対応が整理できると理解しています。 今回の合宿で新たに認識した課題は、競技用品の運搬でした。パラスポーツは、種目によって特殊な競技用品が必要になります。車いすマラソンでは、3輪のレーサータイプの車椅子のトラック運搬が必要でした。こうした特別な競技用品については、運搬方法やボランティアによるサポートについて、ブラジルパラリンピック委員会と協議を重ね、詰めていきます。また、ブラインドサッカーのゴールポストなど、将来の障害者スポーツの普及に役立つ競技用品については、新たな購入も検討してまいります。 ブラジルの選手団は350人を超えると言われています。障害の程度はさまざまとなりますが、選手の特性と競技の詳細を確認しながら、受け入れ体制に万全を期してまいります。 次に、2点目の機運醸成に向けた今後の取り組みについてお答えします。 車いすマラソンの合宿では、選手の皆さんに市内の小学校2校、特別支援学校1校との交流をお願いしました。子供たちは、障害を持ちながら厳しいトレーニングの末に、国の代表に選抜されている選手に尊敬を抱くとともに、彼らの明るく前向きな姿に感動を受けたようです。 こうしたアスリートと直接触れ合うことで、パラスポーツを応援しようとする気持ちが芽生えるものと思われます。今後もブラジルパラリンピック委員会に協力をいただき、市民の皆様との交流を行うとともに、パラスポーツを理解する勉強会などを繰り返しながら、機運醸成に結びつけていきたいと考えています。 また、今回の合宿では、車椅子選手団に三ヶ日町農業協同組合から、地元名産の三ヶ日みかんを御提供いただきました。障害のあるアスリートを応援する気持ちを組合の中でも広げていきたいと伺っています。こうした経済界や観光業界との連携を通して、ブラジルのホストタウンを浸透させることも効果的と考えており、2月に立ち上げた市民会議の中で、市民の皆様と一体となった受け入れ体制を強化してまいります。 次に、3点目の聖火リレーについてお答えします。 パラリンピックの聖火リレーに関しては、今後、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が自治体に対する説明会を予定していると聞いておりますが、現時点では詳細が明らかにされておりません。ブラジルパラリンピック選手団のホストタウンとして、組織委員会や静岡県の動向を注視しながら、聖火リレーの受け入れに向け、関係機関への働きかけを進めてまいります。 ◆32番(花井和夫) 議長、32番。 ○議長(飯田末夫) 32番花井和夫議員。 ◆32番(花井和夫) 御答弁をいただきまして、ありがとうございました。意見・要望を述べさせていただきたいと思います。 緑と公園について、現在、緑の基本計画の見直し作業は始まったばかりで、答えられる内容も限られていると思いますけども、現計画の課題をしっかりと検証・評価をしていただき、緑の持つさまざまな機能が発揮できる、緑の質を高める実効性の高い計画にしていただきたいと思います。市民の意識を上げていくことも大事であり、また市民協働や民間活力の導入を一層推進するとしていますが、今回の策定委員会の委員の皆さんは、さまざまな分野で活躍し、理論より実践をされている方々でありますので、今までにない視点での浜松ならではの計画に期待をしたいと思います。 都市公園のあり方についても、量の整備から質の整備を経て、今は個性の整備の時代であると言われています。地域の課題解決のために生かすことができる公園として、行政のつくった公園という受け身ではなく、公園づくりから維持管理まで、地域等が当事者として主体的にかかわっていくことが必要であり、多様な人間がかかわり、ともにつくる共創が個性をつくるとしておりますので、公園の再生も含め、全国でそうした動きが始まっていることをぜひ参考にしていただきたいと思います。 現在、整備が進められている中郡町の鈴木家での公園づくりも、こうした流れの中にあるわけでございますけれども、5回のワークショップを経て整備の計画が決まり、行政、地域、利用者でつくる公園として、昨年度から3年計画で整備が進められております。しかし、母屋を初めとした建物の活用に関しては、地域において整備し、運営をしていくこととなっており、その支援や協力を各方面にお願いをしている現状がございます。 また、イベントを通して、鈴木家を知ってもらい、公園づくりに関心を持っていただこうと、ことしも3回にわたり「あそびにおいで 1日開放デー」ということでイベントを開催し、多くの親子の皆さんに来ていただきました。けん玉やこま回し、またグラウンドゴルフなど、地域の方々と子供が一緒になって遊んでもらい、保護者の皆さんからは、公園づくりへの大きな期待とともに、前向きな御意見をいただいております。旧鈴木家の残された屋敷林は、四季折々の大きな魅力があり、家康公ゆかりの鈴木家の歴史とともに、子供たちから高齢者まで、多世代の居場所や交流拠点づくり、地域活性化に向けて、建物を改修して使用していくことは、大変大きな意義があると思っております。課題は多いわけでございますけれども、地域としても今後の公園づくりのモデルになるよう、覚悟を持って本気で取り組んでおりますので、よろしくお願いをしたいと思います。 公共交通政策についてですけれども、計画見直しにおける現状把握は、ICT技術の活用で、ビッグデータを利用して行うとのことでした。把握の誤りは、計画そのものの実効性を危うくすることにもなりますので、的確な現状把握に努めていただきたいと思います。 最近では、パーソントリップ調査の結果は、交通計画だけではなく、医療や福祉、また環境や防災、さまざまな分野で活用がなされており、これからのまちづくりの施策に欠かせない重要な情報となっております。実施してみる意義は大変大きいものと思います。 モビリティ・マネジメントについて、呼びかけや協力依頼を地道に継続していくことも大事でありますが、公共交通の負のスパイラルを正のスパイラルに変えることが大切であり、一人一人の意識を変えていくことであり、戦略的に効果的な取り組みが最も必要であり、計画見直しの中でしっかりと検討していただきたいと思います。 先日のオープンガバメント推進協議会シンポジウムでは、「公共交通オープンデータの現状と将来展望」と題し、基調講演がございました。バス交通には、いつ来るのかわからない、何分かかるかわからないといった不安がつきまといます。バスに関する経路や時刻表、GPS情報など、あらゆる公共交通のオープンデータの活用を官民連携によりアプリとして提供することにより、解消しようという試みが全国で始まっております。よりよい案内がよりよい交通づくりへつながっていく試みであり、ぜひ本市でも試してみる価値は大きいものと思います。 オープンデータを使ったシビックパワーバトルは、広報やシティプロモーションの一つとも言えます。今後、本市でも積極的に取り組んでみる面白い企画だと思います。市民が自分の住むまちや地域に愛着や誇りを持つだけではなく、当事者として主体的にかかわっていこうとする意識であるシビックプライドの醸成に、大きくつながるものであります。 浜松は、せっかく高いポテンシャルを持っていながら、生かし切れていな状況があり、浜松のよさや強みを自覚し、共有し、人口が減少しても、シビックプライドを持った人間を多くつくることが、まちづくりの大きな力になってまいりますし、都市の魅力を上げてまいります。住んでみたい、働いてみたい、進出したい、選ばれる都市につながり、UIJターンの推進にもつながるものと思いますので、期待をしたいと思います。 民間による国際交流で、私どもの事例の一つではありますが、オーストラリアのコンサルタント会社が、日本全国の工場等での改善や生産性向上を視察するツアーを行っており、オーストラリアの国際交流協会から我々の協会へ話があり、民間ではなく行政の改善も知りたいということでありました。本市の取り組みを紹介させていただきました。その結果、ここ何年か、浜松市への視察訪問が続いており、当初日帰りで移動の合間の視察ではありましたが、今では浜松で2泊していただいております。その際、我々の協会で日本文化の体験ということで、着物を着て武道の体験や、また松韻亭での日本茶体験等を通して、大変喜んでいただいております。そうした親善交流にとどまらず、経済効果へも多少とはなりますけども、貢献しているものと思っております。 ぜひ、こうした取り組みも御理解をいただき、民間交流団体への支援のあり方も検討していただければと思います。 民藝運動は、発掘、収集、展示、あるいは公開、そして新しい民芸の創作や普及等の一連の活動であります。浜松のものづくりの原点とも言える綿織物など、ものづくりの伝統を掘り起こし、再評価にもつながるものであり、ぜひこの機会に、高林家とともに顕彰する機会としていただきたいと思います。 また、高林兵衛氏は、和時計の収集家としても知られており、没落する大名家などから流失した和時計の収集や研究にも力を入れておりました。そのコレクションは膨大で、大変価値のあるものであり、東京・上野にある国立科学博物館におさめられており、展示されている和時計のほとんどが高林家から寄贈されたものであり、やぐら式や台座式のものから、卓上型、印籠型など、多岐にわたる和時計が展示をされております。また金沢城内で時刻決定作業に使われた大型時計も展示をされております。もしそのまま浜松にあったならば、すごいコレクションであったろうと思いますけれども、浜松での里帰り展をぜひ期待したいと思います。 家康公の浜松での歴史は、伝説伝承を含め多岐にわたり、ぜひ調査を進めていただきたいと思います。またそのことをホームページ等で発信をしていくことは、大切なことだと思います。 静岡市では、2007年度の大御所家康公駿府入城四百年祭を機に、さまざまな駿府での家康公にまつわる話をまとめ、「家康公を学ぶ」として、詳細にホームページで掲載をして紹介をしております。ぜひ参考にもしていただきたいと思います。 パラリンピックに向けてですが、ちょうどきょう、12月3日から9日までは障害者週間でもあります。日本リサーチセンターによるユニバーサルデザイン理解浸透度調査の結果が公表されております。共生社会の推進や、ユニバーサルデザインのまちづくり推進に賛同する人は8割を超えており、ユニバーサルデザイン2020行動計画にある障害の社会モデル、「障害は、個人の心身機能の障害と社会的障壁の相互作用によってつくり出されているものであり、社会的障壁を取り除くのは社会の責務である」という考え方に賛同する人は、全体の62.8%と高い率となっております。しかし、日本の共生社会実現レベルは、10点満点中4.0点と低くなっており、意識と行動でギャップがまだまだあるということであります。ぜひパラリンピックの機運醸成とともに高めていく機会につなげていただきたいと思います。 パラリンピックへの理解を深める一方で、パラリンピック以外の障害者スポーツの振興も大変大事であります。デフリンピックやスペシャルオリンピックス等の国際競技大会もありますし、地域で活動する障害者スポーツもあります。ぜひ、パラ以外の障害者スポーツの振興も、この機会を通じて推進していくことも必要かと思います。 パラリンピックの聖火リレーでございますけれども、年明けには概要が示されるとの情報を聞いております。ぜひ組織委員会、あるいはパラスポーツサポートセンター等との連携、情報入手等をしていただきまして、聖火リレーの受け入れに、ぜひ尽力をしていただきたいと思います。 以上で一切の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(飯田末夫) 以上で本日の一般質問を終わります。----------------------------------- ○議長(飯田末夫) 明日の本会議は、午前10時から開きます。 以上で本日の日程は終了いたしました。 本日はこれをもちまして、散会いたします。     午後4時20分散会-----------------------------------       会議録署名議員        浜松市議会議長        浜松市議会議員        同        同-----------------------------------...